箱日記

ライブに行った感想を細々とつづっています。

2019年6月26日 打首獄門同好会 獄至十五ツアー 福岡DRUM Be-1

自らを晴れバンドと称する私の大好きなバンドが九州入りしたのは、今年の梅雨入りのニュースとほぼ同じ時期だった。


わたしはライブハウスで観るライブが好きだ。フェスはお手軽で良いのだけど、やっぱり大好きなものをじっくり堪能したい派としてはツアーライブをライブハウスで楽しみたい。
打首獄門同好会の結成15周年というおめでたいツアーの発表があってから、日程とにらめっこしてチケットを取り、ライブ当日をひたすらに指折り数えて待っていた。

まずは日程の発表。そしてチケットの先行抽選、それから対バン発表があっての一般発売だ。
大きめの都市が平日開催で、地方が土日という日程の組み方は、動員を考えたものだろう。
わたしは仕事終わりでも頑張れば行ける平日福岡と、土曜日開催の大分のチケットを先行で申し込み、鋭い倍率を勝ち抜いて見事手に入れることに成功したのだった。

 

福岡と大分。この感想文では何度も書いたが、九州のライブハウスはDRUMという系列が牛耳っている。
大分はたしか違ったはずと思ってググってみたらいつの間にやらDRUMBe-0というライブハウスになっていた。なんてことだ。

九州内でツアーを考えたとき、この系列の箱をそれぞれ使うことになるのだが、福岡は大きさの違う箱が3つあるのでさほど困らないものの、長崎や大分は1つ(キャパ350程度)なのだ。
例えば福岡では1番大きなDRUM LOGOSでワンマンライブをやったにもかかわらず、他地域ではキャパを落とさざるを得ないという、この大人の事情を乗り越えなければ、九州の音楽シーンの発展は頭打ちである。悩ましい。
打首さんも次はそろそろキャパを上げるだろうか。それとも東京から遠く離れた福岡では次回も現状維持か。対バン発表の後、一般に破れて早々にソールドアウトしてしまった阿鼻叫喚の様子をTwitterで眺めながらそんなことを思った。

とにかく今回は天神Be-1と大分Be-0というライブハウスで打首さんを観られる幸せを噛みしめる。
福岡の対バンは、今まで名前も曲も知っていたが、ライブを観るに至らなかった『バックドロップシンデレラ』。仲良しバンドであるこの2組のツーマンが観たいという人はかなりの数だったように記憶している。

個人的にわたしは今年こそバクシンチャンスを引くぞと明言していたが、最高の形で手にすることができた。タイミングを待ってみるものだ。

平日開催の福岡は息子とともにだったので、フロアのやんちゃっぷりを警戒して、後ろで観ることを決めていた。そのため仕事を定時で終えてからで充分間に合うだろうと甘く見積もっていたが、やっぱり最初から観たいという気持ちが我慢できず、1時間早く仕事を繰り上げてわたしは走った。
当日の朝に突然申し出ても何ら問題ないこの職場をわたしは気に入っている。


地元の最寄り駅から福岡市内に移動するのに新幹線はないだろうと毎回思うが、定時上がりであってもスタートにギリギリ間に合うか間に合わないかというところで、オープンには確実に間に合わない。

職場から直行できればよいのだろうが、小学生男児に駅で待ち合わせというのはまだ少しハードルが高いように思う。あと数年が経ち、中学生になればと思っているが、今度は思春期を迎え、母とともにライブに行ってくれるのかという疑問は残る。

ミニ会長になるべく購入した赤のシティ迷彩パンツと、こうぺんちゃんの寒いTを息子に着せてみた。うむ、よいではないか。
わたしも獄スパッツと届いて間もない獄パン2019、ついに対バンTを身にまとう。久しぶりだ。
外は雨が降っており傘をさすのがとても億劫だ。しかしライブ前にずぶ濡れになるのはできれば避けたい。
面倒くささとのせめぎあいであったが、仕方なく傘を手にとった。

新幹線を降り、博多から地下鉄に乗り換え、ライブハウスがある天神に向かう。
この若干の遠さを身に沁みているからこそ「博多ー!」という、博多以外のライブハウスでの煽りには「解せん!」と思ってしまうのだ。
いや、『概念としての博多』だということくらい分かっている。めんたいロックの頃は「博多ー」だもんね。
ただ、本当に博多であればわたしも定時まで仕事が可能だったかもしれないし、そもそも新幹線に乗らずとも間に合っただろう。

ツアーでお越しのバンドマン各位はぜひ「福岡ー!」と言っていただければ間違いありません。多分おそらく。


地下街から地上に出てくると、やっぱり雨だった。でも小降りだ。そして出口を見失い迷いかけた。地下に潜ると雨に降られない楽さはあれど、うっかりすると「おや、ここは…?」となりかねない。
目的地が近くなると、背中に『獄』を背負った人がチラホラと歩いている。
フェスは様々なバンドが集まるお祭りなだけあって、客のお目当ても様々だ。
しかし今日は色とりどりのバンTやそのフェスのグッズを身にまとった人たちではなく、『獄』もしくは『UNZA or DiE』が日常を生きる人たちに混ざってそこにいる。この光景こそフェスとは違う、ライブならではだと思うのだ。

時刻は18時を少し回ったところ。17時から行われていた先行物販も落ち着いていて、まずは本日のイベントが記された看板の写真を撮る。物販は終了後でも良かったが、空いていたこともありせっかくだからと今回のグッズをいくつか購入した。ライブハウス前の公園に人々が集まり、まだ明確な指示はないがあと数分に迫った入場に向けてほんのりと列を作りつつある。
武道館ぶりにお会いしたフォロワーさんと久々の再会を果たし、やぶ蚊に咬まれながら、先ほど購入した獄至十五Tシャツを着たいという息子の着替えを手伝った。

そうこうしているうちにスタッフから声がかかり、入場のための列を作る。先行がAで一般がB。わたしはAの120番台というそこそこの番号のチケットを取り出し、ドリンク代を握りしめて列に並んだ。
後ろで観るので並ばずともよいかと思っていたが、よく考えれば後ろの方だって見えやすい場所を確保するためにはある程度早く入らなければならないだろう。
何度も足を踏み入れたことのあるライブハウスだったので、観る場所はある程度あたりを付けていた。

この箱は2階がロッカーになっており、前列で戦う人たちは荷物を預けに行く必要がある。そこへ向かう階段がPA卓の後ろにあり、数段登ったところからだとステージがよく見えるのだ。
わたし自身は壁に背を預けて観る方が楽だが、身長が低い息子はそういうわけにはいかず、だからといってもし肩車なり抱っこなりをせがまれたらわたしの腕や肩は悲鳴を上げてしまう。

思った通りの位置に陣取ると、PA舐めのステージが本当によく見える良い場所だった。階段の手すりがちょうど檻のようになってヘドバンもやりやすそうだ。


どちらかといえば横に広いタイプの箱なので、キャパのわりには近いと言える。ドリンクカウンターも近く、非常に快適であった。
打首さんのライブらしくチラホラとちびっこの姿も見える。フロアにいるのは危険なのでは?今日の対バンはバクシンだぞ、大丈夫なのか。と勝手に不安になってしまう。

わたしもTwitterにアップされるライブやフェスの映像でしか知らないが、バクシンのフロアはとてもやんちゃだ。映像は前方から撮影されていることが多いからかもしれないが、ダイブやモッシュ、サークルなどがそれはもうすごいことになっていて、息子よりも幼い子どもにはちと荷が重い。
打首さんの知名度はめきめき上がっているので、きっと今日初めて観に来たという人も多いのだろうと思うと、MVの可愛さをイメージしてその場に立っているとすれば、急いで逃げてと伝えたい衝動に駆られた。


オープンからスタートまでは30分。スタッフが前に詰めてと必死に声をかけている。ソールドアウト公演はキャパ以上にチケットを売っているだろうから、400人くらいはいるのだろうか。前の方がまだまだ空いておりますと、とにかく外に並んでいる人を全員中に入れてしまわなければならない。
フロアには段があって、なので中央のあたりもそこまで危険ゾーンではないと思うが、それでもライブが始まればぐっと前に詰まっていくだろう。平日だけあって仕事帰りの人たちは少し遅れてくるかもしれない。
前列やフロアの中心にいるときはステージだけに視線を送るので周りを気にしている余裕はないが、後ろにいるときは全体の様子がよく見える。
スタートまでの間に流れているBGMに耳を澄ますと、時折知っている曲が流れている。去年の2月、初めて打首さんのライブに来た時にはそのほとんどが知らない曲だった。邦ロックと言われる、いわゆるフェスシーンでよく耳にするバンドの曲など全く耳馴染がなかったが、1年経って色んなものを吸収した結果、いくつかの知識を増やすことに成功している。セクマシと岡崎体育は分かったぞ。アシュラは1曲だけ『ロールプレイング現実』が流れていて、「おお!」と、息子と2人でテンションを上げた。


BGMが一度大きくなり、音量が絞られる。そして入れ違いにSEが流れれば照明が落ちていよいよライブが始まった。

バックドロップシンデレラのメンバーがステージに出てきた。追いかけていないけれどよく知っているバンドのライブを観るというのは、初めてのことかもしれない。しかも渉さんを観るのは3回目だ。1回目は打首さんの武道館でたけのこのぬいぐるみを持って出てきた時、そして2回目はアシュラの渋谷ワンマンでファミチキを求める先輩として登場した。
楽器を持ったお姿を拝見するのは初めてだったがこれが本来の姿であり、映像では何度か観たことがある。

打首さんのライブに行こうと決めた1年前、その時のライブの対バンバンドと、ある程度仲の良いバンドのMVをチェックしたのだが、関係性などはよく分からないまま単純に曲だけを聴いて1番好みだなと思ったのはバクシンだった。

まだまだイメージでしか語る事ができないが、バンドとしてすごくまとまっているしバランスが良い。わたしは音楽的なことに関しては素人なのでそういう視点で何か有益なことは言えないのだけど、ビジュアルがお洒落だし、何より告知が巧いと思う。2月のZeppでのワンマンライブへの情報解禁、ツアーの組み方、アルバム発売や特典のセンス、チケットの売り方など、TwitterでRTされてくる情報を眺めながら、巧いなーすごいなーとその段取り力にただただ感動していて、わたしの中で渉さんはものすごく仕事ができる人のイメージしかない。

しかしそれはすべてバンド本来の活動のいわば管理部門の話であり、実際のステージについては知らないままだった。曲はMVでもちろん知っていたし、特典DVD欲しさにアルバムを1枚購入していて、今日のためにわりとしっかりと聴きこんでいたが、やっぱりライブとなれば核の部分になるので、それはもう楽しみにしていたのだ。
曲は知っていても曲名は知らない曲がいくつかあった。定番MCの「つっつあーる」も聞く事が出来た。この「つっつあーる」はアシュラのワンマンでステージに立った時に体験していて、「みんな知ってるんだもん」と亞一人くんが言っていたが、わたしは知らないままコールに応えていたので、今回本家本元に参加できることを嬉しく思う。

とにかくビックリしたのは、ボーカルのあゆみさんの身のこなしだ。ライブが始まって早々にステージからコロンと客席にダイブしてきた。はて、体重がゼロなのかな?と思うほどに軽々と自身の身体を操っていて、ジャンプの打点も非常に高い。渉さんのMCにめいっぱい笑う顔が非常に可愛い。一番後ろから見ていて、これは可愛い生き物だ!!!と興奮を隠せない。

Be-1は何度も最前のあたりに行ったことがあるので、後ろとの距離はなんとなく把握しているが、あゆみさんがこちらを見て「後ろの階段のところにいる小さい子が見えて、すごくいい景色だ」というようなことを言ってくれた。階段にいる小さい子は我が息子1人だったので、おおおおおお!とテンションが非常に上がったことをここに報告しておく。
ステージからそんなことを言ってくれるとは思っていなかったので、息子と2人で顔を見合わせてニヤニヤしてしまった。

【サンタマリアに乗って】
わたしはこの曲が本当に大好きで、MVが解禁された時から何度となく聴いている。VIVAというアルバムもこの曲のために購入したと言っても過言ではなく、さらには濃いファンなら迷ってしまうであろう予約特典もMVの撮影裏側DVDを迷わず選択した。


もしかするとど真ん中ではなく少し毛色の違う曲なのかもしれないが、溢れる多幸感が本当に素晴らしい名曲だと思っている。ライブで演奏されるその瞬間も、とても幸せな気分を味あわせてもらった。
WODやサークルモッシュ、さらには狭いながらもダイバーが飛んでいて、それでも思っていたよりは平和なフロアであったように思う。

演奏の合間に挟まれる渉さんのMCは、地方民に嬉しい福岡の話と、今回はお呼ばれなので打首さんの話で、肩に力が入りすぎてもいないし、イキってもいない、程よいさじ加減で好感しかない。

ライブにおけるステージマネジメントはライブバンドの経験値の高さとポテンシャルだと思っていて、どちらかといえばアウェイのライブを観る時はドキドキしてしまうのだが、今回のバクシンは、それはもう素晴らしくて、さすがはライブバンドと言わざるを得ない。

一昔前はある程度の知名度といえば、みんなが知っていたものだ。テレビの影響が大きかったというのもあるが、興味はないけど知っているというものが世の中にあふれていた。しかし今はそうではなくて、熱狂する一部の層と全く知らない層に分かれている。
仲良しバンドとされているけれど、一方を全く知らない層が厚いということは充分考えられることであり、対バンツアーだからといって気は抜けないものだ。
そう考えるとチャンスでもあり、自分たちのお客以外の前でステージに立つということは、演奏技術以外の能力も向上させていかなければならないので中々過酷とも言えるだろう。
ライブハウス出身のミュージシャンは、叩き上げと言われていたけれど、今や叩き続ける事が求められている。特にインディーズシーンではそれが如実である。
とはいえ、狭いバンドワゴンに数人の大人が乗り込んで、新幹線や飛行機の移動距離をひたすら車で移動して地方のステージに立つということを繰り返してきた経験は、もしもホールのワンマンライブばかりをやるような規模のバンドに成長したとしても活きてくる大切な財産だと思う。
小さなステージも大きなステージも、根本にあるものはきっと同じなんだろうと思うのだ。


バクシンのステージが終わり、転換となった。
平日なので仕事終わりに、明らかに仕事の恰好のままライブハウスに来てしまったという大人も交えて、いよいよ打首さんのステージだ。
終演後はアルコールを売ってくれないというシステムの箱なので、ここぞとばかりにはしゃいだ喉をビールやハイボールで潤している大人たちの姿が目に入る。

今回は正確なセットリストを記憶から落としてしまっていて、やった曲は覚えているが順番はもう遥か彼方だ。久々の打首さんのライブ。12月にフェスで観たのが最後なので、それから半年も経過してしまった。
その間にミニアルバムを発売し、今回の47都道府県を回る本当の意味での全国ツアーの様子を、Twitterのタイムラインで眺め見てきた。

全県制覇となればさほど遠征せずとも観られるのだから、ありがたいことだ。今年は北海道に2回(そのうち1回はライジングサンロックフェスで、盆料金という高価格…!)も行く予定を立ててしまったので、奈良と和歌山を見送ったことを今でも激しく後悔しているが、アシュラとの対バンもまた計画してもらいたいものである。

バクシンを観た後に、打首さんのSEを聴く贅沢さよ。打首さんの入場SEはいつものごとくバックドロップシンデレラ『池袋のマニア化を防がnight』。


以前、長崎だったかな?福岡だったかな?この曲が流れた瞬間にテンションが上がった方々が近くにいて、何だろー有名な曲なのかなーって思っていたことが懐かしい。

1年前の2月、同じ箱で観た時はまだ本当に何も知らなくて、いや今でも何を知っているのかと言われれば何も知らないのだが、それでも日々を過ごし、ありがたいことにいくつかのステージを観ることができた。

たった1年半ほどのことだが、濃い、ひたすらに濃度が高いと自分では思っている。
でも8回目かな。1年が12か月なので、月に1回もない。去年のライブ本数は12回なのだが、そのうち半分はアシュラなのでフォロワーさんたちの本数に比べれば、もう行ってないに等しい程度の数である。

物理的な距離があるので仕方がない。会長もMCで「福岡に来るのは年に1回ないし2回」と言っていた。今年はこの日のツアーで1回、そして8月に行われるTRIANGLEが今決まっている福岡での予定だ。そして今日の対バンであるバクシンも出演が決定していて非常におめでたいのだが、なぜか日程が別日になっているというフェス主催者のもくろみは一体というところではある。


1曲目はもう今回のツアーではお約束となっている【こどものねごと】。
冒頭の「オッケーお前ら遊ぼうぜ」という歌詞が、会場やその土地の名前に変換されて歌われる。これは音源を聴いたときから絶対そうなると思っていて、初めて地元で聴く人も、遠征しながら帯同する人たちも嬉しいやつだ。
今回も「オッケーふくおか遊ぼうぜ」となっていた。

ステージの1曲目が何なのか、それを予測するのは非常に楽しい。お約束がない場合も楽しいが、ある程度のお約束になっているのも特別感がある。新譜を購入して初めて聴く時、これはライブでやることを前提に作られているのだなとそんな風に思うのも、発表すらされていないツアーへの思いを馳せる一旦となる。

打首さんのライブでは1曲目のお約束的な曲がいくつかある。武道館での1曲目だった『DON-GARA』。そして古いところで言えば『爆走体勢』だ。新しい曲を聴く事を楽しみにしつつも、例えばアニバーサリー的に年1回しか行われないワンマンライブでは、どれを1曲目に持ってくるのだろうというワクワク感があるだろう。
こういうところがライブを前提としてバンドを楽しむ良さだったりするのだろうと思う。


そして2曲目は【パ】。
歌詞が全て「パ」で構成されている遊び心溢れる曲であるが、この曲はとにかく曲がカッコいい。歌詞が面白いと歌詞に注目されることが多いというのに、反してこういう曲を作ってしまうあたり、会長の良い意味でメンドクサイところがよく表れていると思う。
ズクズクと低く鳴るギターフレーズが大好きだ。ある意味歌詞が「パ」しかないので、VJに気を取られずにステージを観ることが出来る。

文字が大好きなこともあって、わたしはついライブ中にVJに見入ってしまうことが多いのだ。はっと気づいて、いやいやステージの上に立っている人たちをもっと見なければ!となる事が多々ある。これは打首さんのステージあるあるなのではないかなと思っている。


ここから先は本当に曲順が分からないので、印象に残ったところを中心に書いていきたい。

ギターを持ちかえれば【はたらきたくない】である。ど頭のアルペジオ。初披露の時は何度かやり直すという、らしくないハプニングを見ることができたのだが、久しぶりに聴いたらすっかりとやり慣れていて、とても滑らかに祝日が少ないことを嘆く漫談と共に演奏される。
最初に見た時はヘッドレスに違和感を覚えまくったギターも、同じ形のものが首相の元に届けられたという謎エピソードが強すぎて、彼らを知らない人には説明するには時間を要するだろう。端的にまとめてしまえるほどの才能がわたしにはない。


わたしが大好きな【ヤキトリズム】。福岡はB級グルメとして焼き鳥が有名だ。他にも有名な『モツ鍋』があるのだが、いつもMCで触れるだけで、結果焼き鳥に落ち着く。モツ鍋も聴きたいぞ!と思うが、ヤキトリズムが大好きすぎて、満足してしまうのであった。
イントロとBメロのギターリフが本当にカッコよくて大好き!本当に久しぶりにちゃんと聴けたなー。フェスの音だしの時に時々聴いていたけれど、やっぱりフルでしっかりやるのとはわけが違う。
あー大好き、大好きだ!


今日もかわいいまぐろたん。【島国DNA】。久々に会えたまぐろたん。いつもかわいいまぐろたん!さすがに最後列より後ろも後ろにいたわたしたちのところまでは飛んでこなかったけれど、その分泳ぐ姿を堪能できた。以前触ったことがあるのだけど、またいつか泳がせる人になりたいなと思う。中々手が届かない位置に来ることが多くて、ステージとの近さとは関係なく運に左右されている気がする。


入口で息子が新生姜ペンライトを借りて待っていた【New Gingeration】。ピンクの被り物も特に説明がいらないところが、主催ツアーなのである。Junkoさんが新生姜ヘッドをかぶったままベースを持とうとして、鎖ストラップがヘッドに引っかかってしまい、何度やっても新生姜ヘッドがつぶれてしまうというアクシデントが発生。同じ状況であるはずの会長は普通にギターを持つことが出来るのに…なぜなんだ。でもあたふたするJunkoさんが可愛すぎて!


【ニクタベイコウ】はやっぱりコールが一番気持ちいい。たしかにVJがあるので、他の曲も歌詞も分かるしコールのタイミングなんかも分かりやすいのだけど、コールしていてすごく気持ちいのはこの曲だと思う。そして曲もカッコいいのだ。わたしが行く会場だけなのか、はたまた福岡が狭かったからなのか最近はすっかりWODがなくなってしまったのかな。ちなみに花いちもんめをしているところは見たことがない。


WODといえば【きのこたけのこ戦争】今回は後ろだったけどセンターにいたので、きのこでもたけのこでもなかったのだけど、心はいつもきのこ派。段の2段目にいた人たちのWODが非常に優しい仕上がりで、少しほっこりした。いつか混ざってみたいと思いつつ、まだ混ざった事のない初心者なわたしです。


【Shake it up 'n' go ~シャキッと!コーンのうた~】この曲は、後ろのVJが非常に可愛い仕上がりなのだが、やっぱりオノマトペ中心に作ってしまって大変そうな会長のギタープレイを眺め見る時間だなとそう思う。
ギター演奏を口で言うというのはついついみんなやってしまうやつだと思うのだけど、カタカナで書いてあるのは何度見ても面白いし、ちゃんと覚えて口に出したいけれどなかなか叶わないものである。
その分、ベースの「べっべべ」は言いやすくて、口に出すベースプレイの完成だ。


「全員分を用意してきた」とちゃんと伝えてくれたおかげで、取り合いを防いだ【デリシャスティック】。福岡だからと全部「めんたい味」というこだわり仕様だった。いつも何かなー何かなーと思いつつも選ぶ時間はないので、今日はチーズか、とかたこ焼きだとかそういう楽しみ方もあるが、全員がめんたい味を持っているというのもそれはそれで面白い。茨城は全部納豆なのだろうかなどと思ったりもした。
優しい人が後ろまで届けて下さって、美味しいサイリウムを片手に曲に合わせて振る振る振る。


まだ踊れますかで【踊るポンポコリン】この曲めっちゃ楽しい!階段の途中にいたのでスペースがなくあんまり踊れなかったけれど、それでもものすごく楽しかった。カバー曲だけど打首さんらしい選曲で「タッタタラリラ」の掛け声も非常にテンションが上がるし、途中でヘドバンポイントもあって盛りだくさんな曲だと思う。


6月26日という日にちになぞらえて【私を二郎に連れてって】。
この曲、前回福岡のフェスで聴いた時に、謎のポイントでサークルが出来てしまって、何ともカオスな状況が生まれたのだけど、さすがに今回はツアーなのでそういったこともなく無事に盛り上がった。さすがにあす香さんの歌ソロパート前でサークルが出来た時は、どうしようかと思ったよね。うん。しかし曲を知らない人が大半というステージでも、知ってる人ばかりのステージでも同じように楽しませてくれる打首さんのライブが大好きです。

MCではバクシンがステージで福岡でのライブの思い出を語っていたことを引き取って、話をしてくれたのだけど、バンドの仲の良さが出ていてとても良かったと思う。
2年前の福岡でのライブの日、同じ日に別の会場でバクシンもライブで日程モロかぶりという事件があったそうだ。
バクシンと打首さん両方好きって人は多いと思うのだけど、対バンじゃなくて別の会場でそれぞれライブがあるってなると、お客さんだってそれはそれは大変だよね。

チケットの売れ具合を見つつ、Twitterエゴサしていたという渉さん。打首さんが先にソールドアウトして、よし!ソールドアウトならチケット買えなかった勢がこっちにくるだろうという予想通り、バクシン行こうかなというツイートを眺めて、ライブハウス前にも当日券待ちの人がチラホラといるのをチェックしていたら、「若干当日券出します」という会長のツイートが。
バクシンTシャツを着て、ライブハウス前で待っていた人がそっちに流れてしまいこの野郎―――!!と。
そしてライブが終わって合同で打ち上げをやったらしいのだけど、その時にあす香さんが「うちのお客さんにもバクシンのTシャツの人いたよー」って。「あす香このやろう!!!」って渉さんが言ってたの面白すぎたな。
ここまでが渉さんがMCで話していたこと。

それから打首さんとバクシンの間では協定が結ばれて、なるべくツアーの予定を共有してかぶらないようにしようと決めたのだそうだ。
ちなみに1年前の打首さんの福岡でのライブ前日にバクシンのライブがあったようで、それはいいよね。日程かぶらずだったら、連日行けばいいんだもの。そして次回8月のTRIANGLEは同日でいいはずなのに残念ながら日程がずれているのだから両日通し券を買うのだとそういうことなんだろう。

今やどちらのバンドも大きくなっているから、まあだからこそ地方に住まうそんなに音楽通でもないわたしにもライブを観る機会があるわけだけれど、きっとまだお客さんがとても少なかった頃から、ステージを共にしてきたのだろうなと思うと感慨深い。

今回は打首さんの結成15周年記念ということもあって、きちんと正確に日付を調べてその地方に対する思い出話をMCでしていた。
15周年といってもここ数年と結成当時の数年を比べると、本当にステージの大きさや、お客さんの数、ライブ活動に費やせる時間なんかも、何もかもが全く違うのだろうと思う。

しかし根本にあるものはきっと変わらない。わたしは会長の昔のブログをさかのぼって読んだけれど、若いなーとか尖ってんなーとかそんな風には思わなかった。今はTwitterという手軽で届きやすいが、文字数に制限がある上に誤解を生みやすいというツールでの発言が多いので、あまり深いことは発信しなくなってしまったが、20代の会長が残している言葉や当時の試行錯誤の様子を眺め見るに、現在もその核にあるものは変わらないのではないかと思うのだ。


晴れバンドと自称しているが、今回は梅雨入りともに九州入りをした。今年は梅雨入りが少し遅くて、こちらの方は田植えをするための水が足りずに困っているというニュースもあった。恵みの雨、農作物が最優先だとそんなことを言いながら始まったこの曲。ライブの終わりが見えてくる【日本の米は世界一】。
米!米!のコールが楽しくて、やっぱりこの曲が大好きだとそう思う。わたしが行ったライブの演奏では皆勤賞。フェスでもライブハウスでも必ずやってくれるこの曲は、いつもほとんどラストを飾る本当に名曲だ。


そして本編終了。ここからは主催ツアーならではのお楽しみ、エクストラ。久し振りに言えた。打首さんのアンコールは「最初から」だ。
最近はこのコールも色々と進化していて、地方ならではのコールなんかも発生している様子をライブ後にアップされる動画で知ることが出来る。
福岡は何かあるのかなーと、元々福岡県民ではないわたしが思っていたら「最初からー!最初からー!」「おーかわり!おーかわり!」「大盛りでー!」と変化していった。最初っからおかわりで大盛りにしてほしいよ!!


そしてアンコール。「最初からやったら、また渉さんのこういうのも見ることになるよ」とつっつーあーるの真似っこをする会長。「最初から」という言葉を単にコールでまとめてしまわずに毎回ちゃんと答えてくれる会長は律儀。
最後はやっぱり【フローネル】。
「風呂入って速攻寝る計画」ってラストにホントふさわしい楽しい労いの曲だと思う。そしてBメロでたくさんしゃべってくれるのも、最後の曲なのにまだまだ盛りだくさん感があるからすごく良い。

打首さんのセトリってそこまで奇抜じゃないし、特にツアーだと新譜からとあとは定番曲という感じで、その土地に合わせたものを数曲チョイスって感じの作りなのに、どっしりと安定感があるように思う。
…と思いきや、Bメロのネコがバイトやめよって言ってる。これわたし知らなかったのだけど、バクシンの曲なんだね。もっとバクシンと絡むかなーと思ったのだけど、福岡は平日だったから時間的なものもあって、これが限界だったのだろう。

曲中にあるJunkoさんどうぞーがずいぶんと自由になっていた。前日福岡入りしてオフだったという打首さんたち。もうめちゃくちゃ早起きして朝6時だったか5時だったかくらいに起きたらしく、年を取ると早起きになるって言うけど、前の日に寝たのが3時とかで、二度寝どころか寝ないから!で曲に戻る。元気だよ、元気すぎるよJunkoさん!自由に話すJunkoさんの話へフォローを入れつつ、何を言い出すんだ?って笑いながら見てる会長も可愛いし、いつ曲に入るのかを見極めているのだろうあす香さんも可愛い。そして一生懸命話してるJunkoさんも。とにかく3人がめちゃくちゃ可愛いんだ。

前回ライブハウスで打首さんを観たのは昨年9月。筋少とのミラクルな対バンだったので、その日のフローネルはある意味オーケンが全部持っていってしまった感が強かった。
1曲で30分を超えていたその長さもさることながら、サビ部分をどう考えてもうろ覚えですよね?って感じで参加しているオーケンに爆笑してしまって他のことが入ってこなかったのだ。
あの日はわたしにとって夢のような本当に素晴らしい日だったけれど、今日はまた別の良さにあふれていた。

遠征ではなく観られる機会は本当に少なくて、それでもこうして予定を組んで物理的に移動して来てくれることは本当にありがたい。

ライブが終わり、フロアの電気がついて現実へとつながる扉をくぐって外に出る。
飲み屋の立ち並んだガヤついた街。そのど真ん中にあるこの場所は、公園もマンションもラーメン屋も交番もすぐ近くにあり、ライブハウスが4件も集まっていて、わたしの20代の記憶が深く眠る場所だ。

恵みの雨は止んでいた。平日の夜が1つカウントされて、特別なものとしてわたしの中に残りつづける。

こちらはわたしが行けなかった長崎の映像。福岡で初めて渉さんのステージングを見て、ヘドバンすると思ったよりアフロが丸々しててホント遠目からだとポンポンみたいで可愛らしいんだ。バクシン、カッコいいバンドなんだけど可愛い。

大分の話はまた次回…。