ライブの翌日は胃の中に残るアルコールの面影が、記憶の輪郭を曖昧にする。ただとても矛盾しているが、もし完全に掴んでしまったら、なんだか消えてしまうような気がしているのもまた事実なのだ。取捨選択された時間に感情の濃淡が生まれる。
冬に吐く息は白く、冷えた空気はピリリと固く尖っている。交差点の角に集められた雪は土混じりで、踏みしめるとジャリっと氷の音がした。 小さなライブハウス。すすきのの派手なネオンに背を向けて、あの有名な看板の下を通り抜けてから、路面電車を横切って…
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