箱日記

ライブに行った感想を細々とつづっています。

2019年4月27日 アシュラシンドローム 京都Live House nano

ライブの翌日は胃の中に残るアルコールの面影が、記憶の輪郭を曖昧にする。
ただとても矛盾しているが、もし完全に掴んでしまったら、なんだか消えてしまうような気がしているのもまた事実なのだ。
取捨選択された時間に感情の濃淡が生まれる。

 

GW初日。
わたしにとって平成最後のライブを飾るのは、アシュラシンドロームの京都ワンマンライブであった。

新譜『ロールプレイング現実 ツアー2019』

先日の札幌ワンマンでは、息子の安全確保のため、後ろの方での参戦となったこともあり、フラストレーションが溜まっていた。
本当は本日の京都も息子と一緒の予定だったが、彼の方に予定が入ってしまい、一応母親という役割を担っている立場ゆえ参加自体も危ぶまれたが、何とか調整を行い今回は急遽わたし1人の参戦となった。

ウキウキしていた。ワクワクしていた。
ライブ中にステージ上の演奏以外に気にしなければならない存在があるというのは面倒だ。守るものがあると人は強くなれるかもしれないが、ことライブに至っては無い方が強めに生きていけるだろう。
巷には『彼女を守りながらライブを観る彼氏』というものが存在するそうだが、わたし的には「そんなことよりステージを見ろよ」と思う。

今回は何も気にすることなく、誰に気兼ねすることなくライブが楽しめるなんて、もうそれは本当に幸せなことだろう。

最寄り駅からてくてく歩いて、え、こんなところに?という場所で本日の箱、京都nano はある。いわゆる住宅街というやつだ。観光客も歩いているが、行き交う人はどちらかというとここに住まう近所の方々だ。
わたしが到着したのは14時を少し過ぎた頃で、周りにはまだライブを観に来たであろうらしき人たちは誰もいなかった。

ウロウロと目的もなく時間を潰して、16時から先行物販でいくつかのものを購入する。終了後にすればよかったのについ買ってしまった品々を無理やりウエストポーチに詰める。

とにかく住宅街なので静かにしなければならないし、時間前にその場に留まっていることも厳禁だ。17時30分OPENで入場列は15分前からというアナウンス通りに、まずはトイレを探してコンビニへ。
出すものを出して、今日は前に行けるかな。近くに行けたらいいね、なんてフォロワーさんと話しながらOPENを待ち、会場に入る。キャパ70という本日の箱はこぢんまりとしていて、入口のところにバーカウンター、そして縦長の室内には左右の壁に沿ってベンチが設けてある。あまり高くないステージへところ狭しと楽器が置かれ、真正面には、黒に白文字で『アシュラシンドローム』の文字が刻まれたフラッグが掲げられていた。

ワンマンだ…と思う。
2列目のセンターにいたら、心優しき方に最前を譲っていただいて、遅ればせながらも有り難い位置で待機することとなった。
ソールドアウトの今日は、後ろからmoguraさん(nano の店長さん)の、「あともう少し前に詰めてください。みなさんが楽しめるライブにしましょう」というアナウンスが何度か入る。

最前は驚くほどにステージが近い。膝のところがスピーカーだ。柵のないフロアは少し怖い。サーキットとかフェスならばまあありかなと思うけど、ワンマンなので不安だった。踏ん張りが足りなくて雪崩が起きたらどうしようと思いつつも、今それを考えたところでどうにもならないので、とにかく踏ん張るしかない。筋肉量の足りない下半身は心許なかったが、頑張ろうと心に決めた。

あっという間に時計は18時。
moguraさんがバンド名をアナウンスしてからいつものSEが聞こえてくるという流れは、アットホームで良い。時間を確認すると2分ほど押していた。

上手側客席を少し斜めに横切ってメンバーが現れる。てっきり上手奥の黒幕裏から出てくると思っていたので「ここから!?」と新鮮な驚きである。
初めての箱は出てくるところがどこなのかというところから新鮮な驚きがあって贅沢だ。

そういえば見逃してしまったが、京都ワンマン前も本番直前動画配信はあったのだろうか。
この間の札幌もそうなのだけど、スマホを取り出して眺める暇がない。というよりも心の隙きがない。これから目の前に現れるという期待感が大きすぎて、配信されているであろう動画に意識を向ける余裕がないのだ。
家で観ているときは、直前のワチャワチャとした感じがとても良いので、ライブの日はその瞬間を心待ちにしているのだが、当日待ってる立場だとそれどころじゃないんだ。
それは何かと何かを等価交換している気がして、わたしというキャパシティを感じている。

今日は入場待ちのときにフォロワーさんとRPGダンスを練習した。息子と覚えたダンス。
足元は狭いと難しいけど、それなら手元は踊りたい。

そして本日のライブが始まった。
リリースツアーである今回のツアーにおいて、新譜のリード曲となっている【ロールプレイング現実】からのスタートだ。

今回はサポートメンバーとして、キーボードのアツシさんがツアーにも帯同している。
わたしはワンマンしか行ってないのだけれども、対バンの場合も一緒に回っているのかな?
もしワンマンライブだけだとしたら、この曲などは普段、ストリングパートは同期音源なのかなー。
確認しようとTwitterを開いてライブ動画を眺めてみたけど、むむむ…よく分からないな。

フロアから「おめでとう」の声がかかる。
ライブど頭でやっぱりみんな言いたいよね。言いたいよ、そりゃそうだよ!!むしろそれを言うために来たようなもんだ。そしてそれはお互いになんだ!!!

改めてアシュラシンドローム、「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2019 in EZO. 」出場決定おめでとうございます。

亞一人くんが、俺に言わせろと言ってRSR出演決定発表から初になるライブで本人の口から報告を聞くことができた。
今年の1月、京都ワンマンに行くと決めたときは、まさかそんな幸せすぎる出来事が上乗せされると思っていなかった。
この予測や想定を超えて現れる伴走感がインディーズバンドを応援する良さだと思うのだ。

「今日の俺はテンション高えぞ!」こんな日に来られたのはラッキーだと、そんな言葉を聞きながら、そうでしょうそうでしょうと心の中で完全同意だ。
出場決定の翌日ライブでは、嬉しいのに情報解禁前で言えないもんだから、奈良を和歌山と言い間違えたというツイートを見て、ざわついた会場の様子を思い浮かべたお留守番組もざわついていたよね。
MCで話すことってある程度決めると思うんだけど、脳のキャパがサプライズでねじ込まれた嬉しすぎる決定に支配されてしまって、そりゃあ大変だったろうと思う。

そこに気を回さなくてもよい今日は、それはもうニッコニコで、その様子を見ている他のメンバーもニッコニコで、本当に本当にステージが嬉しそうなのだ。

RPGダンスはもう少し踊れるようになりたい。C&R(コールアンドレスポンス)は、ちゃんと出来たので満足。

【男が女を唄うとき】
上手側ではなくて下手側を選びがちなのは、ここ1番のフレーズで右手でマイクを持つ亞一人くんが下手を向くから。
今日は上手寄りのセンターだったので、どちらかというと横顔と後ろ頭を眺めていた。
この日はラスサビのナオキさんのベースフレーズを聴き逃してしまった!しまったなー。

【D×S×T×M】いやこの曲ほんと好き。毎回好き。
渋谷の俺売れDVDではチャプター選択するとベースソロから入っていてお得。そしてソロはなくともベースフレーズから入るこの曲。この日はナオキさんもニッコニコだったな。最後の八の字ヘドバンだってちゃんとできたよ。わたしの他にはあまりやっている人がいなくてさみしいのだけど…。

今回の箱を選んだのは、店長であるmoguraさんのことが大好きだから、とナガさん。京都でやるときは絶対ここでと決めていたんだと。

『居心地の良い場所からの旅立ち』というのが今回のツアーにおいては大きな決意なのかもしれない。
少しずつ大きな場所を目指す。そんなMCを聞くのも札幌に引き続き2回目だ。

居心地の良い場所は、最初から用意されているわけではないと思う。初めましてはいつだってどこだって座り心地が悪いものだ。
つまり、ふり返ればその良さを作ってきたのもまた自分たちであると言える。

ただアシュラを知ってからたった1年のわたしが思うのは、その1年で「バンド」としての運営が整ってきたのではないかなあということ。
中心にある『良さ』は変えないで、それをどのようにして外へと発信していくかという視点で考えたとき、例えばそれはライブ前の映像配信だったり、終わってからの写真つきありがとうございますツイートだったりする。
決して革命的な方法じゃなくて、いろんな人がやってるスタンダードなものだけど、毎回やろうと思ったら大変だと思うのだ。
そして去年の夏のワンマンより前は、今みたいに毎回きっちりやってはいなかったと思うんだ。今日ライブ?あれ、そうだっけ。どこで?ツアー?誰の?みたいに、今のようにしっかりチェックしていなかったからという理由もあるかもしれないが、そんな感じだったと記憶している。
絶対にやらなければいけないことではないけれど、そんなことを言ってしまえばライブ告知だってそうだし、どうやったら気にかけてもらえるのか、どうすればもっと観てもらえるのか。
外側への呼びかけとして何らか策を講じているのだろうなということが伺える。

まだ内向きだなと感じるところもあるけれど、でもこれがまた内側に向ける部分があまりにも薄くなりすぎると寂しくなってしまうもので。
技術的な部分に加えて、情緒的な部分が絶対に必要だと、わたしは思うので、もう少し試行錯誤をしながら彼らにとってちょうど良いバランスを見つけてもらいたい。

 

そして曲は亞一人くんにとって居心地の良い街中野新橋ラプソディ】

この曲カッコいいな。『男が女を…』もそうなんだけど、歌謡曲の匂いがするアシュラの曲はとても良いと思う。
ナガさんのカッティングが泥臭い雰囲気の曲調にトゲみたいに刺さってくるのがアクセントとしてすごく良い。
ナオキさんと亞一人くんは正統派に近くてそれにより色味が増して、ナガさんとカズマさんがスパイスを加えていく方かなーとか…いや音楽的な難しいことは分からんけど。

次の曲は【DORORO】
これほんと好き。…というかもう全部好きしかないわ、感想が。
チャカチャカギターがホント良い。あとサビの「妖怪ドロロ」のあとにくる「チャララーン」ってとこ(もう文章が拙すぎて伝わらない)
亞一人くんの滑舌良さフリークでもあるから、ものすごく詰まってる歌の部分も「すげえ!」って思うよ。
絶対にほうれい線できないわあんだけ口動かしてたら、なんて事は後から思い出していくと思うことであって、ライブ中はその技術に惚れ惚れしてる。
歌メロが詰まってるとしゃべってるみたいな単調になりがちなんだけど、声色と喉の使い方が良いから好き。

そして、そしてだよ。
素敵なピアノの調べがね、流れてくるわけですよ。
まだ曲に入っていないこのメロディ。非常に、非常に聴き覚えがあるのですよ。なぜかといえば、昨年の渋谷のワンマンDVDで1曲だけ、何回も何回も繰り返し再生した曲があるから。
でも確信が持てないわけです。だって違う曲が始まる可能性だってあるから。わたしの願いが強すぎたことによる都合のいい解釈かもしれないって思ってしまうから。わたしはわたしを信用しきれないのですよ。
もしも、もしもわたしが仄かに思い浮かべて期待感をコントロールしようと必死になっているものが正解だとするならば、これは気を抜いた瞬間に命の危険を伴うぞとふくれ上がるものをなんとか整えようとしていた。

セトリが毎回同じだって言われてるの、俺ちゃんと見てるからなってエゴサしてるぜ発言も、なかなか頭に入ってこないよ。
毎回違う場所で勝負してるから、色んな事情があるって分かってるよ。セトリが毎回同じなのは、いつも「はじめまして」の人に向けてセットリストを組んでるからだって、わたしもそう思う。

アツシがいるんで昔の曲をやろうと思います。って曲振りも一緒なの有り難い。おかげで心の準備が間に合った。

【運命の少女】
8月の渋谷ワンマンで初めて聴いて、本当に本当にもう一度聴きたいって願っていたこの曲。
亞一人くんが曲名を言った瞬間に、めっちゃ変な声が出て、なおかつ腰が抜けそうになった。まだ聴いてもないのにタイトルだけで腰砕けってもう早すぎるにもほどがある。

バラード。いわゆるバラードなの。大騒ぎして音源も手に入れてるのだけど、こちらは古くて昔のメンバーさんとツインボーカルになってるので、最近のライブバージョンとはまた趣が違う。

これはわたしの完全な好みの問題なのだけど、男の人が歌う女性視点の歌詞の歌がものすごく好きなので、わたしは亞一人くん1人の方が好き。
とにかく声の良さに色気をのせて、もう本当にシンプルにそれだけで聴かせてしまう曲。
古い音源には歌詞カードがなかったので、耳コピでフォロワーさんと協力して文字起こしもしたけれども、わたしの中では『人魚姫』の歌だと思ってる。

だって
「光を浴びた運命の少女、夢はここでただ立ち尽くすの。この哀しみをおびた扉を開けたとき、あたしは笑顔でまた泣き崩れるの」
だもん。

この曲に至っては、本当に目も耳も離せなくて、すごく集中してたはずなのに、こうして思い出しながら色々書こうと思っても語彙がとける。
魂が抜けた瞬間だった。

待って待って、そんなに早く次の曲にいかないでと思うわたしの都合なんてものはお構いなしにライブは続く。

【Big thunder(雷)】
『かっこかみなり!!』はこちらのパートだぜ!と以前うまくコールができなかったことがあったので、次は絶対にやってやるんだと心に決めていた。
ただ、1つ前の余韻もあってちょっとどころじゃなく焦ってしまった。
でも前よりは上手に出来たと思うんだ。

【Whiskey Coke Brandy Strike!!】
この曲は新参者のわたしにとっては新しい曲なイメージなんだけど、実は運命の少女と同じアルバムに入っている古い曲。
昔バージョンより今のほうが好き、って何回書いたかな。これは単純に好みの問題だと思ってる。
一昨年のワンマンDVDで演っているのを観てみたけども、たぶんわたしはナオキさんのベースが好きなんだと思うな。

まだてっぺんじゃない。まだ頂きじゃない。と、そうきたらもうこの曲しかない。
【山の男は夢を見た】

「今日はみんなに協力してほしい事がある」からの、山男の振り付けでmoguraさんに向かってボロフェス出たいのアピールタイム。
去年は街の底ステージで1日目のトリだったのだが、アットホームですごく良いフェスだったので、アシュラが出るならまた行きたいな。

頭の上で山を作って左右に揺れる。いやほんとこの曲楽しい。わたしはもう身体にガタがき始めてるので、こう手を上に持っていくだけでひと仕事なんだけど、この曲のときは頑張れる!

途中でグイッと押されたと思ったらフロアの真ん中が割れちゃって、おおこれは『頂 of death』じゃないかと。
前回の札幌では亞一人くんはステージから見ているだけだったのだけど、今回はどうするのかなと思っていたら
「これ俺が降りたほうがいい? 今日はテンション高えから降りてやるぜ!」と言ってフロアに君臨。
うわーっと盛り上がるフロア。しかしながら物理的に狭いのよ!キャパ70のライブハウスは中々のパンパン具合だったのでもうナガさんが心配しちゃって
「みんな優しくな、優しく。ケガだけはするなよ」ってめっちゃ何回も言うから笑ってしまった。

ケガするなって気づかいの言葉を投げながらやるってのもかわいいよなーと思った。
「お前らビビってねえで全力でかかってこいよ!」的なギラギラバージョンも気持ちが盛り上がって良いのだけど、わたしは好きよ、気づかいバージョン。

優しい『頂 of death』の真ん中から亞一人くんが担ぎ上げられてフロアからステージに戻ってくる。
最前にいた方の頭にぶつかってしまって、ごめんねって頭をぽんぽんやってたのが更に優しかった。

絶対彼氏以上】

この曲も盛り上がるよね。MVもすごく好きで、迷ったけどyoutubeの映像は昨年8月の渋谷ワンマンライブのものをチョイス。
頭でも中でも後ろでも、セトリのどこに入れてもしっくりくる扱いやすい曲だと思う。

そして盛りだくさん。オイオイもダンスも、手を上げて一緒に歌うところも、ラストが若干ゆっくりになるところなんかも、ホント盛りだくさんな曲で、2つずつくらいに分けたらもう1つ別の曲ができたんじゃない?っていつも思ってる。

ぐるぐる回るんだぞ、と言って始まったのは
【Devil hand=Tornade(竜巻) 】
トルネードだからでできたサークルが本当に楽しそうで、こちらもケガがないようにと小回りを大切にした仕上がりで、混ざってみたかったけど、どうしようどうしようとドギマギしている間に終わってしまった。

【デスポイネ】
まず【プレリュード・オブ・デスポイネ】方が流れる。

そして【カルディア・オブ・デスポイネ】だ。メタル大好きだから。もうみんなメタル大好きなんだ。

ナガさんも亞一人くんも、とにかく音楽やってる人でメタル嫌いはいない、バンド組んで最初に演る曲はメタルだって、わたしもそう思う。

TMからSLAYERばっかり聴いてたって亞一人くんが言ってたのだけど、わたしは亞一人くんとは音楽の趣味が合わないかなーって思ってたから意外だったな。
そしてさっきこれを書きながら久々にSLAYERを聴いてみたら、色々となるほどなって思った。

この曲の時に後ろからの圧に負けてしまって、わたしはステージ側に転んでしまった。
もうね、一瞬だったよ。気がついたらナガさんのマイクスタンドの方に身体がぶつかって、スピーカーで膝を打ち、ヤバい!って思ったときに多分だけど亞一人くんが起こしてくれたと思う(違うかな?妄想?笑)
しかし踏ん張りがきかなくて本当に申し訳ない。

危ないと思ったのか、それからしばらくの間、私の足元のところにスタッフの女性がしゃがんで待機してくれたのだけど、小柄で華奢な女性だったので、踏み潰してしまわないか不安だったさ。

そして【Starlight Blues】

この感想を書きながら、音源の方を久しぶりに聴いてみたら、ライブと少し雰囲気が違う気がしてる。


ライブではいつも前奏の前奏が入ってくるからかもしれないけれど、音源よりも柔らかいように思う。
ライブのほうが尖っている曲もあれば、優しく聴こえるものもある。
これは音源でもあることだし、ライブに限定した現象ではなく、人と音楽との関係性の中で起こる現象なのだろう。
最初の方で技術的なものだけではなく、情緒的なものが必要だと書いたけれど、恐らくこのあたりと関係しているのだろうと思っている。

同じ曲ばっかりのセトリだったとしても、その日の体調や状況、受け取る側の気持ち1つで変わってしまうものなんだ。
打首さんの武道館で、会長のMCのせいで『布団の中から出たくない』の歌詞の意味が変わっちゃったときなんて、まさにそうだったもの。

「しー」ってやってるところを間近で見られて満足。しかしこの動作に誰か名前をつけてほしい。文字で表現するのが難しいのだもの。

【TM NEET WORK】
この曲のBメロでクラップするところがめちゃくちゃ好き。
MVのイメージが強くて、ライブでも音源でもあんまり印象が変わらない曲かな。


頭を頑張って振らないといけないヘドバン曲なのだけど、最近アシュラのライブでやるヘドバンに慣れてきた。
ヘドバンというか、折りたたみだよね。腰からいくやつ。
しかも一回後ろに引っ張ってからの2拍目で折りたたむパターン。
この辺がバンドによって違うのか、曲によって違うのか、こういう種類のものなのか分からないんだけど、とにかくできるようになってきたのだ。
わたしはこのためだけに髪の毛をそこそこ伸ばしている。
ヘドバンは髪の毛がある程度ある方が美しい、と思うからだ。
髪伸びたねーと誰かから言われるたびに「ライブで頭振ったときにこっちのほうがいいと思って…」と答えているのだった。
しかし、あまり長いと今度は周りの邪魔になるのでそろそろ切らなければなーとぼんやり思っているよ。

【FinalFight】

この曲はサビでタオル回したいーって勝手に思ってて、勝手に回しちゃった。隣にいたフォロワーさんも一緒にやってくれたから嬉しかった。

「ベースナオキ!」が出たのはここだったかな。今回はメンバー紹介なかったなー。わたしは古の人だから、これからもそれは毎回楽しみに待っております。

近しい日程でワンマンライブを連続して観られるというのはかなり有り難いことだと思う。

人柄がもう分かってるから、MCタイムはメンバーがワチャワチャと話してて楽しいのだけど、時々明らかに曲フリだなーって思う瞬間があるから、もう少しグラデーションにしてくれたらいいなって。

ベテランになるともう普通にしゃべりすぎているから、曲フリが突然になってきてそれはそれで面白いし、慣れてない若いバンドマンだと曲に入る前だけセリフみたいになってたりするし、MCって本当に奥深い。

本当に良い曲。すごくライブ映えするし、丁度よい詰め込み感も心地よくて、わたしは今回のアルバムの中で好き度がかなり高い。
FinalFightというゲームは知らないのだけど、知ってたらもっと楽しめたんだろうなーと思うと残念でならないけれど。

【月はメランコリックに揺れ】

ああ、この曲がくるということはラストなんだ。
見えてくる終わりに少しだけ寂しくなる。
定番の終わり方があるって良いと思うんだ。確かに毎回同じなのは『飽き』という危険もはらんでいるけど、定番が共有されるからこその『ずらし』も存在できるわけだから、今回は定番の本編ラストだったけれど、別の機会には振りになってくることもあるんだろうと思う。

あーいぇー頑張ったのだけど、もう酸素も水分も足りてなくて、声がガラガラだった。あ、わたしの話ね。
ただもしかしたら上手側にいたからかもしれないけど、今回は亞一人くんの嬉しそうな表情は確認できなかったな。笑顔ではあったけど、フロアからの声を聞いてものすごく嬉しそうな顔をするときがあるの。見逃しちゃって残念だ。

その代わりナオキさんが目の前に来てくれてニコニコとベースを弾いてるのがすごく良かったなー。

こちらが歌う側のパートのラストで、満を持して歌い始める亞一人くんの伸びやかな声が好きだよ。
技術力で殴りかかってくるその容赦ない力に、やっぱりオリジナルが唯一の正解だって思うもの。

ここで本編終了。
客席を横切ってメンバーがはけていく。
アンコールのコールは『ライジング! ライジング!』
からの『ボーロフェス! ボーロフェス!』
でもって『おーかわり! おーかわり!』
って変化を遂げていった。
この『おかわリコール』はわたし知らないのだけど、もしかして昔からの定番のものなのかな?
だとしたら今まで聞いたことがなかったのは何でだろうなーとか思ったりもした。
どちらにせよ、はて?何をコールしたらアンコールで出てきてくれるのだろうか…と思い始めたフロアの空気を察してか、再びメンバーがステージに戻ってきた。

【チェーンソー】
初めて聴いた。前回札幌ではセトリから漏れていて、だから今回が初めてだ。
この曲…ヘドバン曲だ。翌日と翌々日に首が痛かったのはきっとこの曲の時に頑張りすぎたからだ。
折りたたみヘドバンは腰からいくし、髪の毛がある程度ほわってなると激しく動いているように見えるから大丈夫、とか思っていたけど思った以上に動いていた模様。わたし、頑張った。

デス声は音源でも聴いていたけれど、それ以外にもいろんな声色で歌ってるよね。
どの曲だったか覚えていないのだが、シャウトをしたように記憶しているのだけど、それはわたしの思い違いかもしれない。
最近、妄想が激しくなってきて、気を抜くと現実との境界線を超えてきそうになるので要注意だ。

【Daring Darling】
アンコールラストはこの曲だろうなって思っていたのに、入りが違っていたので気がつくまでに少しだけ時間がかかった。
わたしの毎朝のアラームとなっているこの曲。
ライブのラストを盛り上げる大好きな曲。

nano のステージはそこまで高くなくて、だからスピーカーの上に乗ってる亞一人くんのお腹のあたりがちょうど最前の視線の高さだ。
フロアの中心を目指して前へ前へと乗り出してくるので、最前にいると、ステージ上にいるはずの人との距離がマイナスになるという不思議な現象が起きる。

ふと、ガシっと手を掴まれた。
これはまさか、もしかして、とか思う前にとにかく転ばないよう、転ばせないようにって必死に腰から下に力を込める。
でも、もしもわたしが小動物だったら絶対に死んでたと思う。ときめきすぎて。そのくらいドキドキしたよ!するさ!当たり前じゃないか。
24時間、365日あるうちの、ほんの一瞬。だけどわたしが出会える時間だって限られていて、その中でも厳選して1番の姿が目の前にあるというだけでもすごいのに、手がつながってるんだもの。
寿命が2時間くらいは縮まってしまったかもしれないが、いいよ、死ぬ間際に「ああ、あの時のときめき分だな…」って思うから。

きっとバランスを取りにくい土台だったと思う。
以前、支え役になったフォロワーさんが、体重をかけられるからけっこう重たいって言っていたのね。
でも重くなかったから、そこまで体重がかかってなかったのだと思う。いくらダイエットして細くなったからって腕1本に重みがかかってるかどうかくらいは判別がつく。
しかし、こんな頼りにならない土台だけでああやって前に前に出て歌えるのだから、体幹強いなと思ったわけです。

亞一人くんのフロアを煽りながらの『愛してるぜお前ら!』が聞けて満足。
新譜の特典ディスクのライブ映像で言っているのを聞いて、すごい!すごい煽りだ!!って思ったんだ。
昭和だ!昭和だよ、最高!!って。
わたしは今まで、少し様子のおかしいバンドのライブばっかり行ってたから、そういうタイプの発言ってほんとなくて、だから本当に新鮮で、ぜひ聞いてみたいと思っていた。
ダーリン終わりはもうふわっふわしていた。ヘロヘロだよ。
よく亞一人くんはTM木根さんの話をしながら、ふわっふわになったことを告白しているけれど、わたしは亞一人くんにいつもふわっふわにされているのだ。

そして再びステージから演者がいなくなる。さあここからがExtra。ワンマンライブにはもう少しだけ時間が残されている。

1曲目にやろう。いや岩井からは絶対にやるなって言われてる。と言わしめるその曲Get Wild

「俺のゲワイをやる」って言って曲に入ろうとしてた亞一人くんがツボに入ったのかナオキさんが曲に入る前に指さして笑っていた。
ウツダンス?ゲワイダンス?とにかく閉じて→開いて→閉じて→左右に揺れるの動きを見様見真似でやってみる。
お約束は多いほどお客さんは嬉しいと思うんだ。アシュラのライブでゲワイを聴きたいって思ってる人多いと思うんだよな。

わたしは運良く、2回目のライブが渋谷のワンマンだったので、それからゲワイを聴く機会もたくさんあったけど、地元に来るのを待ってとかだとやっぱりなかなかないので、待って待って聴けたとしたら、感慨深いだろうなと思うよ。

「色んな事情があって難しいかもしれないけど、ここにいるみんなに観に来てほしい」
亞一人くんが言ったそれは8月の石狩の話だ。

8月、福岡→新千歳の航空券を押さえた。正直キツイ。飛行機しか移動手段がない上に、夏休みでお盆で世の中は繁忙期だ。
だけど…。

曲が終わり、ワンマン恒例の記念撮影の時間となった。
ライジングサーン、ライジングサーン、ライジングサーン、ボロフェスタ
という、非常に分かりづらいかけ声で写真を撮る。

RSR出場決定情報解禁後初のワンマンライブ。嬉しいしかない喜びに満ちていて、ステージ上のメンバーも、迎えるフロアのお客さんもニコニコで本当に素晴らしい1日だったと思う。
彼らにはきっとこれから、とてつもないプレッシャーが襲いかかるだろう。
『出場』がゴールではないからだ。大きな目標として存在しており、容易に叶えられるものではなかったことは承知している。
ものすごいことをやってのけたと思っている。

しかしながら本当に大変なのはこれからだと思うのだ。
個人的には、飛び道具はないと思っている。付け焼き刃ではきっとボロが出るから。

今回のライブで、明日のライブで。そうやって実際のステージで一つ一つ積み重ねた経験だけが、いざという時の後ろ盾となる。

だからわたしはライブバンドが好きだ。

もしも、いつもはすぐに泣いちゃう亞一人くんが、ぐっとこらえて涙を見せずにステージをやりきったら、普段は絶対にもらい泣きしないわたしはきっと泣いちゃうだろうな、と思います。

次は石狩へ。
RISING SUN ROCK FESTIVAL 2019 in EZO.