箱日記

ライブに行った感想を細々とつづっています。

2021年10月8日 アシュラシンドローム RE:RECORDING TOUR 福岡Queblick

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ライブが久しぶりなのは言わずもがな。それでも年単位ということがないのは、こんな状況下においても万全を期してライブを行ってくれた打首さんのお陰だったりする。
しかしながらそれは、やはりある程度の規模が必要で。言ってみれば大企業なら出来ることも、中小企業には難しいみたいな話だったりするものだと思う。

そう考えると、わたしのアシュラシンドロームのライブ参戦が丸2年空いてしまったのも、世の中の縮図であるのかもしれない。

2年てなんだよ。2年だぞ、2年。
最後に行ったライブが2019年の10月16日。
コロナ以前のスケジュールのことなど、すっかり遠い昔のようだが、東京のバンドである彼らが自分たち主催のライブで福岡まで来るとするならば、春と秋のツアーがチャンスである。それ以外の予定はまあもう不定期なので、どこかのツアーの対バンで来るか、あとは3月に行われるサーキットフェスか、とそんなところなわけだ。

2019年のわたしは、翌年3月のサーキットフェス、そしてその翌日、小倉でザ・マスミサイルとの対バン予定だったライブに参戦する予定だった。しかしそのどちらもダメになってしまい、そのままズルズルと月日は経過していったのだ。

すべての音楽ライブが出来なくなり、各音楽関係者が知恵を絞って様々な形で自分たちの活動を続けていこうと模索していた2020年。アシュラも配信ライブをいくつかやってくれて、お陰で画面越しではあったが、ライブを楽しむこともできた。
亞一人くんのソロライブも配信してくれたので、普段だったら遠征が難しいようなライブを見ることができるという、配信の良さももちろんあるなと思っている。

でもだよでも、でもやっぱりライブってのはその場に行って、目の前で演奏している人たちが、そこで出す音を生で聴いてってのがいいんじゃないの。と、そう思うのだ。

そして2021年。無観客で配信オンリーから、観客を動員してのライブが少しずつ再開され、少しずつ状況が緩和してきた。
しかしまだ全く油断はできない状況で、緊急事態宣言が発令されたり解除されたりを繰り返していくうちにデフレを起こして、まん延防止措置法だの、リバウンド防止措置期間などと、言葉遊びのような状況だ。

その中で、県をまたいだ移動というのが出来たり出来なかったりするわけで、そうなれば遠征がしづらいというお互いの事情がある。そしてまだまだ地元であってもライブに行くこと自体を避ける人が多い中での地方ライブは、キャパの半分の動員数というところも含めて、移動費とその他もろもろが釣り合わない。
結果、東京のバンドを観る機会というものは限られてくるというのが現状で、ライブは行われているが一向に観る機会がないということになってしまうのであった。

 

やっと、やっとだったんだ。2年、長かったよ2年。
どのくらい長いかというと、小学5年生だった息子が中学1年生になってしまった。こんなに大きくわかりやすい2年があるだろうか。流れている時間が見えるかのようだよ。

今回のライブだって、本当は息子と一緒に行きたかったのだけど、平日の17時オープンとなれば、15時台には家をでないと間に合わないのだが、中学校は小学校に比べて終わりの時間が遅いのだ。

 

残念ながらお留守番、ということで母は一人でライブを楽しむことにした。
そして今回は、なんと大阪から遠征してくるお友達と一緒にライブ観戦できるという、嬉しさが倍どころの騒ぎじゃないよ!
ライブ遠征が減ると、会えない人も多くてさみしいなって思っていたので、そうやって遠くから来てくれるのは本当に嬉しいことだと思う。
とくに、こうして会いたい人になかなか会えないこの世の中。二の足を踏むわたしのところまで来てくれるなんて本当に嬉しいことだ。

 

お友達との再会~ライブ会場~物販

ひとまずライブハウス近くで合流して、久しぶりの挨拶。アシュラのライブは本当に丸2年だけど、お友達とは2年半ぶりだった。大阪は一時期感染者も多くなっていて、ニュースを見るたびに大丈夫であってくれと健康を祈っていたから、こうしてまたライブハウスで会えるのは本当に嬉しい。

 

近況を語りながら16時からの先行物販へ。Queblickは福岡天神のど真ん中にあるライブハウスで、ものすごくアクセスがいい。わたしは地元ではないのでちょっと別の道からくるとすぐに迷っちゃうのだけど。

ライブが久しぶりすぎて、感が鈍ってしまって看板の写真を撮り忘れてしまった。今日はここツイートをするなんてのをすっかり忘れてしまっていた。
なので写真はあとからお友達にもらったものだ。

地下へと続く階段も久しぶりだ。
ごちゃっとした壁や重たい扉、高くて座りづらそうな椅子のバーカンも懐かしい。前回来た時は虎の子ラミーのマザーがステージから飛び出して、バーカンのあるここまでマイクを持ったまま走ってきたので、なぜかフロアに入らずバーカンで一人カウンター向こうのお姉さんと話しながらジュースを飲んでいた息子の姿がその後のライブ写真に写っていた。
よい思い出である。

 

先行物販にはえみだむ氏がいた。だむちゃんだー懐かしい!と心の中で思いながらも、必要以上のことはなかなか話せずに、買い物をする客と化す。
しかしライブが久しぶりすぎてタオルすら持ってくるのを忘れていたというのに、これだけは持ってこなければと思っていたものがあった。

それは、本当にちょうど2年前の2019年10月5日、RSR初出場の2ヶ月後に行った渋谷クアトロのリベンジワンマンライブ。これはとっても大事なライブだったと個人的には思っているのだけど、そのワンマンライブ会場で売っていたバックステージパス風ステッカーだ。

このバックステージパス風ステッカーってデザインも可愛いし、記念になるからとてもいいグッズだと思っているのだけど、その日のステッカーには日付と場所が書かれていなかったんだよね。
だから購入したはいいが、せっかくの記念的要素が薄まっていて残念だなって思っていた。

そのすぐあとにあった福岡でのライブで、始まる前に物販に立っていたカズマさんとちょうどその話になった時に「持ってきてくれたら書くよ」って言ってくれたのだ。
「じゃあ次のライブの時に持ってきますね」って言って、その時はまさか次のライブが2年後になるなんて思っていなかったし、その間にカズマさんがアシュラを脱退してしまうだなんて思っていなかった。

 

そのことを思い浮かべながら、今書いてもらうべきか、それともライブ終了後の物販で書いてもらうべきなのか少し迷った。
ただ、ライブ終了後の物販は混みあうのではないかと思うし、バタバタして結局書いてもらえなかったとなると、それはそれで寂しい。

カズマさんの脱退の話はけっこう早めに決まっていて本来はラストツアーをやってという予定だったと言っていたので、本当なら容易に叶えられたはずの約束だったのにな、と少しだけ悲しい。
音楽の何たるかなんて全く知らないし、ドラムのことも何にもわからないわたしだけど、新しいアルバムを頭から聴き始めて、3曲目で「あれ、これ別のドラムの人かな?」って思うくらいは聴きなれていたんだなって。だってたくさん聴いたもんね。
メンバーがサポートだった時期を知らないわたしにとっては、初めてのメンバー脱退だったのでやっぱり少し寂しかった。

でも大人なので、新しいチャレンジも素敵だなって思っています。

本当はメンバーに書いてもらいたいという気持ちはあるものの、知らないスタッフの人とかではなくだむちゃんならいいじゃん、って思って書いてもらえないかとお願いしました。
快く書いてくださってありがとうございます!お陰で普通よりもずっと思い入れの深いグッズになりました。

 

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セクマシの物販では、ものすごく欲しかったカスタネットを購入。かわいい、とにかくかわいい。


一度荷物をお友達のホテルに置かせてもらい、ロビーで少し近況を話す。みんな色々、本当に色々あって、でもようやく日常が少しずつ近づいている気配を感じている。

 

ライブ本編

さて、相変わらず前置きが長くなってしまったけれど、ライブだライブ!
17時オープンに合わせて、整理券番号順に並ぶ。今回は整理券番号が今までで一番良かったんじゃないかな。Aの8番。
しかし人数的なことを考えても、あまり整理券番号は関係ないかなと思いつつ、1番から10番の方~という声に、おおいかなければ!!と焦って並ぶも、前にいるのは4人くらいで実質5番くらいで入ることができました。

打首さんのライブがチケット代にドリンク込みだったので、うっかりドリチケというシステムも忘れそうになって、慌ててお金を取り出す。
入口のお姉さんの「どのバンドを見に来ましたか?」って質問も懐かしい!!

入ってすぐにフロアに向かう。床に足形が貼られていて、ああこの場所に立つのか…とスタンディングのライブは本当に久しぶりなので、何時間も立っていられるのだろうかという疑問も残る。

フロアの柵をそっと握る。ステージが遠い。だってこの距離では足が届かない。以前は最前列の柵とステージがもっと近くて、演者がステージの上から柵に足をかけて飛び越えてフロアに来るなんてことがあったはずだ。

そんなふうに少しだけ違っていて、でもステージの上に楽器があって、小声だけどざわめきのあるフロアにBGMが流れていて、それだけでもうすぐライブなんだってワクワクする。
一人一人のスペースが決められているということは、入れ替わりもあまりないのかなと思いながら、本日は上手側の最前、NAGAさん前のポジションをゲットしました。

何の曲が聴きたい?今日のセトリって何だろう?そんな会話も楽しい。

 

セックスマシーンがかっこいいという話


そうこうしているうちに、あっという間に30分が経過して、客電が落ちる。聞こえてきたのはBonJoviの『You Give Love A Bad Name』だったと思う。洋楽詳しくないので違っていたら申し訳ないのだけど。
とにかく、モーリーがほら貝を持って現れて、ほら貝を吹くもんだからおかしくて。

セクマシのライブは3回目だ。1回目はマスミサイルと対バンしてて、全然知らないで観てめちゃくちゃ面白くて、すごく印象に残っていたバンドだったんだよね。たしか2012年くらい、って10年近く前なのに驚く。

長いマイクコードを使って、歌いながらライブハウスの外まで出て行っちゃうその破天荒なステージパフォーマンスも、コロナ禍ではなかなか難しいし、お客さんのことを『ゲストボーカル』と呼んで一緒に歌うスタイルだから、ステージングが今の状況にとても不利なんだけど、そんなことは物ともせず、とにかく根っこがしっかりしていてぶれないバンドだと思う。
そんなにたくさん知っているわけではないのだけど、カミコベへの関わり方とか少し漏れ聞こえてきたり、モーリーに対する優しくて賢そうな人だなっていう印象は最初の時から変わらない。
コロナの感染が拡大し始めてライブハウスがあまり良くない形でニュースに取り上げられて、本当にライブが全くできない時から、日本で一番最初にライブをやったのがセクマシだ。
国のガイドラインを守っても、楽しいライブはできる。そう言うのは簡単で、やるのは難しい。行動した人を非難する人はたくさんいるから。でもそれを織り込み済みでまず動く、やる、っていう、本当にカッコいいなって思ったんだよ。

ライブを観ていて、この場所がこの人たちにとっての「仕事」なんだなって思うと、その場所が奪われ続けているのは、なんて悲しいことなんだろう。音楽は不要不急じゃないってそっちが決めてんじゃないよ、となんだか世の中に腹が立ってきてしまった。

感染リスクが高いことは自粛するしかないと思うし、少し前にあった愛知のフェスとか、ガイドラインを守らない行為は絶対にダメだと思うけど、居場所を奪われ続けている人がいるのは忘れてはいけない。
創意工夫で進化していくことを余儀なくされている中で、色んなことを試していたセクマシはカッコいいバンドだなと思うわけです。

もう少しで今まで通りになれるような気がしている、もう少しの我慢だってモーリーもMCで言ってたけれど、ほんとあと少しだといいなと思うよ。
29日にバクシンとの対バンでまたQueblickに来るので、絶対来いよだそうです。
あなたが1人いないと、僕たちは大打撃だから、みんな健康でまたライブハウスで会いましょう。って、一言一句覚えているわけではないのだけど、ステージの上のモーリーが職人さんぽくて本当にカッコいいからまたセクマシのライブに行きたいなって思った。
カスタネットで必死に応じた30分、あっという間のステージだった。

 

 

アシュラシンドロームが最高すぎた

 

そしてセクマシが終われば次はいよいよアシュラの番だ。
セッティングを見るのも、ほんと2年ぶりなんだよ。2年ぶりのNAGAさんが出てきて、2年ぶりのナオキさんが出てきて、2年ぶりの亞一人くんが出てきて…もうそれだけでこちらのライフはゼロに近い。

なんかもう久しぶりすぎて、一番最初にアシュラのライブに行ったときみたいな新鮮な気持ちだった。生きてる!動いてる!近い!って。
だって一番最初にアシュラのライブに行ったのが、2018年の7月なのね、そしてコロナ前に行ったライブが2019年10月なわけだから…1年じゃね?ライブ行ってた期間、1年3か月じゃね?それから2年空いたの?と思うと、もうなんだか初めましての気分だよ。なんだこれ。

いったん引っ込んで、そしてBGMが小さくなり客電が消えて、いつものSEが流れる。もう本当に久しぶりだ。
SE空けにドンと始まる1曲目は新しいアルバムの1曲目だったこの曲。

【AngerFireBomb!! 2021ver】

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わー亞一人くんの声だー!!もう当たり前なんだけど、本当に目の前にいるんだって思うだけで嬉しすぎた。
歌詞が詰まってる感じの曲の時の活舌の良さが好きなんだ。この曲たぶんライブでは初めて聴く気がする。
アシュラのライブ、始まったらもう思い入れが強すぎて泣いちゃったらどうしようって思っていたけど、わたしの涙腺ほんとカッチカチだからそんな心配は杞憂だったし、楽しすぎてにこにこしてしまった。RSRの時も泣かなかったんだからもう泣かねえよ、わたしは。


ちょっとセトリの順番に自信がないのだけど、煽りから始まった2曲目
【男が女を唄う時】

youtu.be


この曲、最初の静かなところで、亞一人くんのマイクにリバーブ?、ディレイ?、コーラス?なんて言うのかちょっとよくわからないのだけど、カラオケで言うエコーみたいなのがかかっていて、ちょっとそれが強すぎたかなーって印象がある。
亞一人くんの声が好きなので、加工っぽくなると少し残念なんだよね。ほかの曲でもどこかであった気がするなー。
でもこの曲いいよね!サビに向かってだんだん上がっていく感じがすごく好き。

NAGAさんの目の前だったので、ニコニコNAGAさんが今日も全開で、ぶかぶかしたお洋服の中で泳ぎながらだったのでとても可愛かったことを報告しておきます。

足元のエフェクターって新しくなってたのかな。まあもう2年も見てないからそりゃ新しいよね。こんなんだったけなーと思いながら見てもわからないくせにチラチラ見てしまった。


MCでは福岡が2年ぶりだという話。そうなのよ。そうなのと答えたいけれどマスクをしたまま心の中で答える。
わたし、そんなにライブ中にステージに向かって声を出す方じゃないんだけど、うっかり何かを言いそうになって、あ、しゃべっちゃダメだった…って思ったから、思いのほかステージに向かって何か言ってるのかもしれない。そんな記憶はないのだけど。

福岡暑いねって。札幌はもうそこそこ朝は寒いみたいで、札幌から飛行機で移動だった亞一人くんは気温差に驚いたみたい。こっちも10月だってのにこの暑さに驚いているよ。

亞一人くんは札幌から飛行機で移動したけど、他メンバーはやっぱり車で、車だとめちゃくちゃ遠いから毎回福岡はもういいかなーって、九州切るかーって思うってNAGAさんが言い始めて、メンバー全員が言ってるみたいに言うな、って亞一人くんが注意するっていう流れが別のところでもあって、それが今回のMCの感じだったな。

NAGAさんすぐそういうこと言うから、誤解されちゃうんだぞ、って思った。


【山の男は夢を見た】

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声を出せないけど手は上がるよな、このオラオラした感じ。亞一人くんのオラオラ煽りが大好きだよ。
あなた方の頭の上に山は見えてますか?って言われたら手を挙げて山を作るって、最初にアシュラのライブに行くって言ったときにフォロワーさんから教えてもらったのだけど、久しぶりすぎて、山を作るんだっけ?指と指を合わせるんだっけ??これ打首さんのタケノコの時じゃない???って迷って、ちょっとふんわりした山になってしまった。
周りをちょっと見たんだけど、山っぽくなくて余計にあれれれ?ってなってしまったけど、山を作る感じで良かったと思うよ。間違っていなかった。

配信ライブを観ていたり、あとはコロナ禍がそもそも普段の生活がガラッと変わってしまったせいで、2年ぶりの実感がわかないのだけど、確実に時は流れているなと思った。だって山のときの山の振り付けを忘れるなんてあり得ないことだもの。


まだまだいけるよな、で絶対彼氏以上】

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この曲はイントロが本当にカッコいい。オイオイのところは手を挙げるしかできないのだけど、代わりにNAGAさんたちが言ってくれる。聴きなれた曲がライブハウスの大きな音で全身に刺さるように響いてくるの最高だなと思う。
NAGAさんの「手をあげろーーー」は少しタメが入って気合が入ってた。
Queblickは照明がとても綺麗で、わたしはこの箱の照明がとても好きなんだけど、しっかりステージの上の人たちの顔も見えるのに、色もすごく綺麗で映える。
後ろから照らした光でシルエットのようになる瞬間とか、美しいなーと思う。ステージはいつだって輝いていて、伸ばした手が届かない憧れの場所だ。


どこでMCだったか定かではなくて、思い出したときに書いているのだけど、どうやらアシュラは新しいお客さんが増えたとのこと。コロナ禍で配信ライブをやったり、あとは10獄からって人もきっとたくさんいるよね。ひらけカンキッキーズは2曲とも名曲だもの。あれは打首さんのライブでめちゃくちゃ笑わせてもらったし、いつ見ても大爆笑必至な素晴らしい動画だ。

初めてアシュラシンドロームのライブに来た人?っていうNAGAさんの問いかけに、けっこう手が挙がっててびっくりした。わたしも2年ぶりだったから挙げればよかったよ、もう初めましてだと思うからこれだけ空けば。

でも新しいお客さんがライブに来てくれるのってきっと嬉しいよね。わたしも嬉しい。

新規のお客さんが増えてきたということで、再録でアルバムを出すことになって、昔の名曲をもう一回出そうという話になった。

この時に少し中鉢さんの話が出てたな。
「運命の少女」は、わたしは4年前のワンマンで初めて聴いて、その時の衝撃は未だ超えられてないってくらい衝撃的だったんだけど、そのあとどうしても音源が欲しくて、たぶんその日のワンマンに参加していた人はみんなそうで、しかしながら探して探して探しまくってもどこにもないのよ。
TSUTAYAのオンラインレンタルしかなくて、そのライブに行った人がみんな借りるもんだから、ひそかに順番待ちみたいになっていた気がする。知らないけれどきっと同じライブに行った人たちと、同じ1枚のCDをめぐって予約しあってたのかと思うとすごく面白いなって思った。
今回再録されたものとはアレンジが全然違っていて、中鉢さんがメインなくらい歌っていて、亞一人くんがコーラスに回ってる部分もあるんだよ。わたしは新しいアレンジのほうが好きだけど、このバージョンも新鮮でとても良い。中鉢さんのきれいな高温と亞一人くんの少し若い声がとても良いんだ。


再録でMVを出したときに、コーラスを入れないで主メロを1人で歌いきることに意味があると亞一人くんがツイートしていたけど、原曲を聴くとなるほどなーって思うよ。
彼女のことは時々RTされるツイートを少し読んでいた程度の知識しかないのだけど、強くて綺麗でかっこいい人だなと思っていたので、訃報はやっぱり哀しかった。

TSUTAYAオンラインレンタル 

movie-tsutaya.tsite.jp

在庫数2枚あるので、全国を2枚で対応するのは大変だと思うけれど、気になった方はこちらからぜひ。

そのわたしの大好きな曲。
【運命の少女】

youtu.be

再録アルバムに収録されて、MVまで作られたから今日は絶対に聴けると思ってた!ワンマンでしか聴けなかった貴重な曲から、ツアー先の地方のライブハウスでも聴けるなんて本当に嬉しい。
ただこの曲はピアノアレンジなので、アツシさんがいないと難しいんだよなっていう茶番が始まる。Twitterを追いかけてるから知ってるんだぞ!みんなが喜ぶ大正解の解決方法を。

地方には遠くて連れてこられないし…お金ないし…みたいなことを言いながら、でも今回の対バンではピアノが弾けるあの人がいるじゃないか!ってことで、呼び込んだら即出てきたモーリー。
「誰がタダやねん」って言いながら出てくるのが早くて笑っちゃった。セクマシはモーリーだけじゃなくてメンバー全員がピアノを弾けるらしい。さすが。

普段のモーリーとは違うモーリーが見られるスペシャルな機会。これは対バンならではの良さだ。その日にしか観られない、まさにライブというやつである。

歌い上げる亞一人くんの歌声が会場全体に響き渡る。スポットライトのように照明もシンプルで、音もシンプル。だけどそれが良い。いい声すぎてほんとに。わたしが一番好きなところは2番の「雪に 混じる」の「雪」の「ゆ」の入りの発音です。
これ音源だけじゃなくてライブでもちゃんと聴けるので、耳を預けて聴いてみてほしい。ライブの時は2番とは限らないけれど。

この曲って2021年verになってバラード色が強くなって、亞一人くんの声なんだよね。1にも2にも。
柵に寄りかかりながら全身でそれを味わう、なんて贅沢な時間なんだろう。大好き。

曲が終わって、はけていくモーリーの速さもなかなかのものだった。脇役にも主役にもなれるところが素敵だなと思う。


そしてMVが発表されてからずーっとライブで聴きたかった曲。
【ENCOUNTER】

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本当はカズマさん脱退ツアーがあるはずだった。全国のファンは最後にきちんとライブでお別れを言いたかったと思うんだ。たしかにラストライブは有観客と配信で1日2ステージやってくれたけれど、それは体力的にも色んな意味で本当にありがたいことだけれど、やはり願わくば目の前で最後なんだと噛みしめながら観たかったし、今までのお礼とこれからの人生への激励をしたかった。

この曲がカズマさん脱退のはなむけの曲だって聞いて、改めてああ良い歌詞だなあと思ったんだよね。
『未来は知らん顔で 通り過ぎて 跡形も無い それじゃ虚しい それじゃ悲しい だから出会うんだろう』
ここの歌詞がとても好き。
この曲、初ライブ参戦の人はもちろんなんだけど、昔からのファンの人だって、遠征してなければライブで聴いたことがないはずなんだ。
だから全体的にホーンセッションのノリの良い曲なんだけど、はていったいどういうノリ方をすればいいのかってのが全然わからなくてさ、最前列にも戸惑いが見て取れたのがちょっと面白かった。わたしも戸惑っちゃった。こういうところから定番になっていくと、観るほうも慣れてきて、一体感が出てくるんだよね。新曲ですって発表したときは本当に初めましてなのでよくあるのだけど、初お目見えからずいぶん経っているのに、ライブの回数がだいぶ減ってるから曲を知ってるのにうまくのれてない感じがちょっと歯がゆい気持ちだった。


NAGAさんのギターのフレーズだけで分かってしまう
【月はメランコリックに揺れ】

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この曲がくるということはもう後半も後半だ。時間はなんてあっという間にすぎてしまうのだろう。
福岡のみなさんと、本当はでっかい声であーいぇーしたかったけど、どうやらまだダメみたいだから。それはまた次に絶対できるようになるから、今日はみんなの分を俺が引き受ける。亞一人くんがそう言って始まる。
最後にこの歌を一緒に歌ってからもう2年。ワンマンライブ後に中野新橋の駅に降り立って、お友達と飲み屋のクロちゃんで打ち上げをした日からもうそんなに月日が経ってしまった。

ライブの少し前、わたしの車でgood morning yesterdayという部分の歌詞を聴いて、「おはよう、昨日?どういうこと?」と息子が言った時、中学生になったんだなと妙なところで月日の流れを感じた。

目の前の柵は距離は変わっても高さは変わっていない。ちょうど柵に当たる位置に顔があった息子の身長も少しは伸びて、きっと今なら下からのぞき込まなくても、背のびをしなくてもステージが見えるはずだ。
2年は長い。でもステージを観れば一瞬で埋まってしまう程度のものだ。
声を出せない不自由さはそこにある。それでも手を挙げて応えるしかない。

 

本編ラストは
【Over The Sun】

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この曲はもうRSRだよ。もう2年も経ったなんて信じられないな。記憶の濃さが違う。
日常生活はぼんやりとしてるけど、この曲を初めて聴いたあの場所のことは、本当に色濃く残っている。そしてこの演奏をライブで聴くとその風景が思い出されるんだよね。


ステージの上で見たことのない顔で歌ってた亞一人くんのその表情だったり、イントロを弾き始めたNAGAさんの丁寧な音出しの瞬間だったり、初めて聴く曲のコールを間違えながら一生懸命声を出したときのことだったり、ステージの下で懸命にカメラを回すチダさんだったり…いっぱい思い出す。

 

歌いながら感情が自分の中で深くなっていくのか、肩で呼吸をするところが全身で歌ってるって感じがして好きなんだよな。ちょっと狂気に満ちた顔になるのがとても良い。
本来ならその姿に向かって手を挙げながら、フロアが歌声を返す部分があるのだけど、それはまだ心の中だけになってしまって、外に現れるのは振り上げた腕とマスクで半分隠された表情だけだ。
コミュニケーションは限定されている。それでもわたしたちが観るステージは変わらない。その変わらなさが、音楽を生業とするすべての人たちの努力によって何とか保たれているのだということを改めて知ったような気がした。


ステージを後にする4人。アンコールは手をたたく。このコールは以前と変わらない。
今回は主催側なので、アンコールがあるのだが、小さな箱だと早めに出てきてくれて嬉しい。

 

ここからアンコール

【Mr.Paradise】

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2021年バージョンの音源を最初に聴いたときに「どっこい」どこいった?って思っていたけど、ステージでは言ってた。
「どっこい」ってなんだよって思うけど、もうありきで覚えてるから、ないと尻座りが悪いというか、昔カセットテープで音楽を聴いていた頃に、何回も聴きすぎて次の曲の入りまでもがその曲に含まれてくるみたいなそんなイメージです。

このミスパラ、めちゃくちゃスピードが速かった。驚いた。この感想を書くのに改めて音源聴いてるけど、こんな速さじゃなかったよ。はやっ!?て思ったもん。ギターから始まる曲だから、NAGAさんのさじ加減かな。ノリのいい曲やってぱっとやって終わろうみたいなことを言って始まったけど、めちゃくちゃ速くてちょっと笑っちゃった。
亞一人くんは活舌がほんといいよね。わたし、亞一人くんの言葉の発音の仕方が好きなんだと思う。
あとサビの最初のHEYのところは全然いけるんだけど、途中のへーいとへへーいのところで手を挙げようと頑張ったんだけど、けっこう難しかった。


本当に最後の最後はこの曲。
【Daring Darling】

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このダーリンの時にステップ踏むってのがあるらしくて、お友達はそれをホテルで練習したから、少し下がって広い場所で楽しんでいたのだそうだ。なにそれー楽しそう!と思ったけれど、ダーリンの時はやっぱり前にいたいんだ。

この曲にもたくさん思い出があって、狭い箱の小さなステージだと、亞一人くんとの距離がマイナスになるというか、最前にいるお客さんを超えてさらにフロアに行っちゃうので、その時に見えてるものといえば、よくて半身、次点で足、何なら柵、最終的に床、みたいになる。でもその心地よい圧が大好きなんだよね。

でも今は『そういうこと』は一切合切NGなので、すごくよく見えた。ナオキさんとNAGAさんが左右を入れ替わってくれて、ナオキさんの素敵な笑顔を見ることができた。NAGAさんはいつもにこにこしてるんだけど、ナオキさんは目が合ったら笑ってくれるのがとても嬉しい。いや、妄想かもしれんが。


ライブが終わってしまう。楽しい時間はどうしてこんなにスルスルと流れてしまうのだろう。2年の間に色んな事があったけれど、もう少し、あともう少し、少しずつだけど希望が顔を覗かせている気がしている。
また福岡に来るって言ってくれたから、わたしはそれを信じて待つしかないし、遠征ができるように日々の健康に留意していくしかない。次のライブは一緒に行こうねと息子と約束をしていて、それがいつになるのかはまだわからないけれど、こんなに楽しい時間を手放してはいけないなと思った。

 

ライブが終わり、そして思うこと

 

客出しのBGMは新しいアルバムのDaringだった。まだライブが続いているような感覚になる。明るくなったライブハウスのフロアに何度も取り出して聴ける音が響いて、さっきの瞬間しか聴けない音の記憶が混ざり合う。

次の参戦予定はまだ決まっていない。ツアーファイナルのワンマンだって行きたいけれど、まだ遠征は少し躊躇してしまう。でもまた以前のように楽しめる日がくるのだと信じて、日々を確実に生きていくしかないのだ。

ライブが終わって帰り道、片づけをしているモーリーたちに少しだけ声をかけることができた。わたしは何も話せなくて、お友達が話してる横でうなづいているだけだったけど、お互いの健康を祈ってまたどこかのライブハウスでと再会を誓ったのだ。

ナオキさんとも目が合って、「今日はありがとうございました」と言ってくれた。
亞一人くんの横を通り過ぎながら、「今日のライブすごくよかったです」と伝える瞬間に飲食店かマッサージ屋かの看板に激突し、かなり挙動不審になりながらだったというのに、「ありがとうね」と返してくれた声はとても優しかったです。はい。精進します。

ラーメン食べたくてうろうろとして、でももうほとんどのお店が閉まってしまってて、結局チェーンのうどん屋さん(美味しい)だったけど、お友達と食べたうどんは本当に美味しかった。
ライブに行って、音楽を楽しんで、ご飯を食べて帰る。たったそれだけの事なのに、2年も出来ていなかったんだな。

衣食住の最低限は生命維持のために必要だけど、たしかにそこをおろそかにすれば物理的な死がやってくるのだけど、それでも文化的な生活がなければ人は生きていけない。

WEBで何でもできるとはいっても、五感のうちのたった2つ、視覚と聴覚だけだ。
それ以外はまだ直接触れ合うことでしか得ることができない。
対策をおろそかにしろと言っているわけではなくて、早く色んな心配をすることなく目いっぱい楽しめる日が戻ってくるのを願ってやまない。


またどこかのライブハウスで。それまではお互いに健康で。