箱日記

ライブに行った感想を細々とつづっています。

2019年10月16日 アシュラシンドローム アルティメットパッションツアー 福岡Queblick

渋谷のワンマンライブと中野新橋の旅を引きずったまま、数日が経過していた。ライブを終えて色んな余韻に浸っていたら、すぐに日数は経過していき、気が付けば一月ほど経っているということはよくある。
ライブとライブの間はある程度開いている方がいい。気軽に行ける身ではないというのもあるが、その時のことをこうして書き記すには時間も必要だし、記憶をアウトプットする前に現実に上書きされてしまうのがもったいない気がしてしまうからだ。

 

10月16日。水曜日という週の真ん中。わたしが住んでいる地域から福岡市内の中心部までは、ドアtoドアで1時間は必要だ。私鉄で行くかそれともJRで行くか、はたまた新幹線を使うのか。今回はもう一つの選択肢、車で行くことに決めた。
帰りのことを考えるなら、車移動が一番楽だ。あまり時間のことを考える必要がない。
そう、わたしがお酒を我慢するという必要があるだけで、他にはなんらデメリットがない。

本日はアルティメットパッションツアーと銘打って、アシュラシンドローム、虎の子ラミー、Su凸ko D凹koi、ロマンス&バカンスの4バンドで地方をまわる、合同レコ発ツアーなのだ。
普段からよくTL内で目にする4バンド。プラス福岡のバンドBermude△を加えた5バンドというラインナップ。アシュラ以外はどれも初見だ。
普段東京で活動していることが多く、バックドロップシンデレラの渉さんが店長を務める池袋Admをホームとするメンツである。
バンド単体で考えるなら主催のツアーで様々な都市を検討するには、まだ採算が合わないことも多いだろうなとそんな風に思う。打首さんのツアーですら、九州は比較的チケットの売れるスピードが緩やかなのだ。
来てほしいと願う人の数と、東京からの距離を考えると頻繁に来られないのは仕方がない。
だから4バンド合同でということなのだろう。
こちらとて池袋Admに行けない身。こうして連れ立ってきてくれるのは本当に嬉しい。

ちょうど1年前の同じ日、アシュラがすっとこちゃんのツアーの対バンとして福岡に来た時は、息子の体力温存のため彼女たちのステージを観ることなくバーカウンター前で過ごしてしまったので、今回は観ようと決めていた。
虎の子ラミーはフォロワーさんの推しバンドということもあって、TL上ではよく名前を目にしていたし、ロマバカもその個性的な楽曲のお噂はかねがね…といった感じで、とにかく、あまり色んなバンドに詳しくないわたしもきっと楽しめるだろうとワクワクしていたのだ。

初おちんちんだ!楽しみ!とツイートすれば、絶対に楽しい!楽しめる!というリプをたくさんいただいた。わたしのTLのロマバカへの信頼感が厚くて素晴らしいと思う。

仕事を1時間早くに終わらせて、一度家に戻ってから車でライブハウスへと向かう。福岡市はさすがコンパクトシティを売りにしているだけあって、私鉄だろうとJRだろうと、飛行機でも車でも中心部にアクセスしやすいところが良いところだ。
今回の箱であるQueblickは福岡中央区役所のすぐ近くに位置する場所で、都市高速の出口からも数分の距離である。ほどほどの都会ではあるが、いわゆる東京や大阪の中心部に比べてまだまだ車がいらないとは言えない地域のため、コインパーキングもある程度の数がある。しかも料金も目が飛び出るほどの金額ではない。
車で行くのは初めてだったのでこの辺りかな、というところに車を停めて少し歩くことにした。
18時オープンの18時30分スタート。わたしが箱前に到着したのが18時をほんの少し過ぎたくらいであった。チケットの整理券番号は14と15番。良番であるがおそらくは番号はあってないようなものだ。
すでに誰も並んでいない入口の階段を降りていく。スタッフにドリンク代を渡してお目当てのバンド名を伝えてから箱の中に足を踏み入れた。

入口からまず入ってすぐの右側がバーカウンター、左がトイレの入り口がありその近くに灰皿が置いてある。バーカンの手前、壁に沿ってテーブルが置いてあり、ロマバカとラミーちゃんの物販が準備されていた。
フロアはまっすぐ進んだところにある扉の向こうで、ライブが始まったら誰かが重めのその扉を閉める必要がある。
演奏中以外は開いているその扉の向こう側にまずは足を踏み入れた。
ステージまでの距離はさほどない。黒い壁に囲まれたフロアの左後ろがPA卓で、右後ろにすっとことアシュラの物販スペースとなっていた。カズマさんがお客さんと談笑しながら物販に立っている。
いつもなら、カメラマンのえみだむ氏がいることが多いのだが、今日は別の現場に行っているらしい。

詳しい事情は分からないので勝手なことばかりここに書いても仕方がないのだけれど、わたしは人がこれまでとは違う何かを始める瞬間というのがとても好きだ。キャリアデザインの話をすると長くなるので割愛するが、どんな職業でも何を専門とするのかということを必死に考えて行動していくことで活路が見えてくる。
離れることで広がるものがあり、そしてまた必要に応じて協力するような関係性を、色んな場所で作っていく方が豊かな仕事ができるのではないかと思うのだ。

お客さんの入りはまばらだった。平日のライブはどうしたって仕事を終えてくる人も多いので、早い時間はまだ少ない。スタート時間を少し遅めに設定することも多いけれど、5バンドというステージの時間配分を考えると難しい。
結果から書くならば本日の順番はBermude△→虎の子→すっとこちゃん→ロマバカ→アシュラであった。


福岡のバンド『Bermude△』
初めて観たのだけど、楽しいバンドだった。いわゆる仲良し4バンドの中に1つだけぽつんと入れられて、そういうのってどういう感じなんだろうなと思ったのだけど、アウェイ慣れしていたし、MCもしっかりしていたし良いバンドだなと。しかし最近3ピースバンドって多いな。

ライブが始まる前だったと思うのだけど、知り合いのフォロワーさんたちとお話していた時に、物販の近くで「今日はどうして来られたんですか?」「いや僕、ここの店長なんですよ」という会話が聞こえてきた。
どこかのライブで会った人なら「どうして」とは思わないし、こういう会話の流れにならないので、はていったい何者なのだろうなって思っていたのだけど、どうやらSHIMAのえがっちょさんという方だったらしく、ライブが終わって数日後に自分の無知さを反省したよね。
見た目がロングヘアのサラッサラヘアで、まあ普通のお客さんではないなとは思ったけれど、まさかバンドの方だとは思っていなくて驚いた。

福岡Queblickはわたしが福岡を離れて子育てなんかに追われていたころ(2013年)にできた箱で、だからどんな事情のところなのかちっとも分からなかったのだけど、姪浜というところで行われる夏フェス「TRIANGLE」そして3月に街中で行われる「ONTAQ」というサーキットフェス、このあたりにがっつり噛んでる元気のよい箱だなという印象があって、さらにはインディーズバンドのツアーではこの箱を使うバンドが多いなという印象があったので、いったいどういうことなんだろうと不思議に思っていた。

店長がバンドマンって、池袋Admと同じじゃないか。
バンドマンやバンドのことをちゃんと考えてくれる箱なんだろうなと思うのだ。もしかして愛しかないのでは?とね。

フォロワーさんに教えてもらったこの記事がとても良くて、一気に好印象を持ってしまった。たしかにトイレ綺麗だしバーカウンターのスタッフさんもとても感じが良い。
わたしは若いころそれこそ色んなライブハウスに行っていたけれど、スタッフは基本あまり愛想がいいイメージはなくて、ドリンクをもらったらはい終了という感じで、バーカンに座って話し込むみたいな経験はゼロなのだ。
もちろんそんなところばかりではないと思うし、箱のキャパによっても違うと思うけれど。

Bermude△はさきほどの記事にも名前が出てきたし、おすすめのバンドなんだろうなと思った。今回は4バンドでの合同ツアーだから、OAとして地元のバンドを加える必要はないのだろうけれど、色んな味がする方が面白いのかもしれない。

今回ツアーの種類が3つあって、4バンド合同ツアーと、すっとこちゃんとの対バンツアーとあとワンマンツアー。情報を受け取るこちら側も頭の中がごちゃごちゃするけれど、ふと何を基準に場所を選定してブッキングしているのだろうかとか思いを巡らせると、その作業の多さにナガさんお疲れ様ですと思わずにはいられない。

インディーズバンドマンってやること多いよね。業務量はんぱないなと思うわけです。ただでさえ大変なのにライブハウスの店長までやってる渉さんとえがっちょさん、すごいな。


息子はどうしても推しであるアシュラ以外にはなかなか興味をもてないらしく、バーカウンターでジュースとお菓子を食べながらゆっくりしたいという気持ちがあるようだった。すっとこもラミーちゃんもロマバカも楽しいからと誘うのだけど、おやつの誘惑には勝てぬようで、それならわたしは観てるから気が向いたら入っておいでと伝えてフロアへと向かう。
母がいないと寂しがって泣くという年でもないし、はしゃいで他のお客さんに迷惑をかけるわけでもない。迷子になりようがない小さい箱ならではだ。

『虎の子ラミー』
ラミーちゃんは女性ばかりの4人で構成されたバンドで、いわゆるギャルバンと昔なら言われていただろう。今でもそういう言葉が無いわけではないと思うが、女性バンドマンって本当に増えた。もちろん昔から一定数いたのは知っているけれど、やっぱり数としては男性の方が圧倒的に多かったと思う。
今回のツアーは女性ばかりで構成されているバンドが2つ。
ラミーちゃんはTLでツイートを見かけるくらいだったけれど、赤いメイクが可愛くて、気になっていたバンドだった。

びっくりしたのがマザーの歌声が渋い。見た目が可愛いので、可愛い系のボーカルかなと思っていたのだが、思ったよりも渋めの歌声でカッコいい。でも声自体は可愛いので響きが好きだなって思った。
始まるときにプロレスのリングアナウンスみたいなのが流れるのも良かったな。こういうのってライブ映像をちょこっと切り取ったTwitterの動画や、MVじゃわからないので、こんな感じでライブを演出するんだなーって思った。
あとめちゃくちゃ元気。突然ステージから最前の柵を乗り越えて、フロアの後ろの扉も開けてバーカンのある場所まで飛び出していった。フロアにいたラミーちゃんのお客さんがさささっとマイクのケーブルをさばいて、おお!さすがだと思ったわけです。
わたしはフロアにいたけれど、バーカウンターにいた息子はめっちゃびっくりしたーと後から言っていた。ライブとは気を抜けないものなのだ。
またフロアに戻ってきて、わたしは見逃していたのだけど転んじゃったのかそれともそういう演出なのか、真ん中のあたりでマザーが床に転がっていて、お客さんが担ぎ上げてコロコロとまたステージに戻っていった。

パクチーの歌、印象に残るしわたしもパクチー苦手なので気持ちが分かりまくった。


『Su凸ko D凹koi』
アシュラとはよく対バンしているイメージがあって、前回福岡にはすっとこちゃんのツアーで来たのだけど、ちゃんと観られなかったから今回が初。

どいちゃんは去年のアシュラの渋谷ワンマンの時に、プラカードを持ってステージに登場したあの時の印象が一番強かったのだけど、ライブを観て世界観がしっかりしてるなーって思った。
突然跪いて何かを唱えたり、川柳のコーナーがあったり色々な場面があったけれど、じっと視点を定めて早口で、音楽なんて聴きに来ない人に、自分たちの音楽を届けたいっていう矛盾した内容のMCをするのがとても良かった。
音楽というからには音ももちろんなのだろうけど、きっと言葉を大切にしてるんだろうなって思って、今この感想を書くのにインターネットの荒波をささっと検索したらブログが出てきたので読んでみたけれど、やっぱり頭の中に色んなものを詰め込んでいて、それを取り出すために言葉使っているという印象を受けた。
すっとこの3人はステージ衣装じゃない私服が本当に普通の可愛い私服で、顔を覚えるのが苦手なわたしは、えーっとすっとこちゃん?となってしまった。


『ロマンス&バカンス』
いやほんと、すごく楽しみにしてたんだよね。だっておちんちんだよ!おちんちんイエーイ♪だよ。
突然TⅬでフォロワーさんたちが「おちんちん」って言いだした時があって、え?みんなどうした!?って思っていたら、ロマバカの曲だったんだよね。あの時は本当に驚いたぞ。
だからってMVを再生するとか、そういう類のことは特にしないで「ロマバカ=おちんちん」ということだけが刷り込まれている状態だったわけですよ。
このツアーが始まる随分と前に、4バンドのフロントマンだけで飲み会を開催し、その後亞一人くんとロマバカのチョメPとラミーちゃんのマザーでツイキャス配信が行われたのだけど、ライブや曲を全然知らない状況でその配信を見ていて、チョメPはやっぱり真面目だなと思ったわけです。

しかしあのツイキャスはね、ほんと酔っ払いすぎていて贔屓目を発動してもひどかった。お外で配信するときは飲みすぎ注意。

それは置いておいて、ロマバカのライブはきっと息子も大好きに違いないと思い、センター最前列に連れて行ってみる。しかしながら今回、お客さんがわりと前にぐっと詰めてくる感じだったので、もしも息子がそこにいるせいで気を使ってしまって楽しめなくなるといけないなと思って、2曲目くらいに下手の端っこまで移動した。

ロマバカは結局何人いるんだっけ?キーボードのチョメ子さんがいるから5人かな。いや6人か。多い!すっとこちゃんが3ピースだったからかステージがぎゅーぎゅーに見える。
しかしチョメP、マイクを持たずに歌うのすごいなって思った。歌いながら動くって見ている以上に大変だと思っていて、それでもマイクがあればまだいいんだけど、ヘッドセットマイクで踊りながら歌うって本当にすごいと思ってしまった。お耳のリゾートというキャッチフレーズ良いね。

これはみんな好きだよ。楽しいしかないライブだもん。偏差値を下げていくぜってスタンスもいいし、エロい歌ばかりなのに下品になりすぎなくて、少し可愛げがあるのは絶妙なバランスだと思う。
さっと下手に避けていたのだけど、2列目でツーステ踊ったりぐっと前列までこぶしを挙げていくスタンスのお兄さんたちが息子をチョメPの真ん前に招いてくれた。
だからって盛り下がるってこともなく、前にぐっと詰めるときは息子に負担がかからないようにしてくれて、本当に良い人たちだったな。ちょっと感激してしまったよ。

「今日聴いたことはすべて忘れて学校では言っちゃだめだよ」ってステージから言われながら、息子は本当に楽しかったみたいで、ロマバカのグッズであるサングラスを終わってから購入した。やっぱり好きだよね、みんな好きだよおちんちんは。
どうやらロマバカはワンマンライブの予定があるようで、手売りチケットを持ってきているという告知をステージ上でしていた。
その告知がとても上手でね。
秋田でも〇〇でも売れたんです、チケット。って東北でも売れたからっていう話をして、福岡からも飛行機乗ってきたらすぐだから、安いしね。絶対いい日にするから、だから来てくださいって。
このスタンス、とても大切だと思う。実は東北と関東って近いので、福岡と比較するのは難しいのだけど、でもやっぱりステージの上から直接そんな風に言われたら、興味を持つ人も多いと思うんだ。みんな現実を生きているからその時に即決でチケットを買うことはできないかもしれないけど、検討してプレイガイドで買うって人もいるかもしれない。
何よりも遠いかどうかを決めるのはこっちだから。だから告知をする方は来てほしいってことだけを伝えればいい。いいライブをするから来てねって、それだけでいいと思うんだ。
最後、このまま物販行きますーと言って、チョメPはステージを降りてフロアのみんなとハイタッチしながら物販に消えていった。そうだよ物販だよね、すべては物販の売上にかかっているもんね、とわたしが好きなバンドは普段からステージの上でかなりどん欲に告知をするので、とても好感をもってしまったのだった。


今回は楽しみにしていた4バンド合同ツアーだったので、簡単に全部のバンドに触れてみた。知らないバンドのライブを楽しむハードルがとても高いタイプなので、こうして名前を知っているバンドとの対バンってありがたいなと思う。

再び最前列の真ん中に息子を置いて始まるのを待つ。セッティングをする様子がすぐそこに見えて、右側にいたお姉さんが小さい声で「近いぃー」と言っていた。近い、そうだよ近すぎて心臓が危険。
前回がワンマンで渋谷クアトロだったから、最前にいたけどある程度ステージの高さもあったし、距離もあった。
小箱の良いところはこの近さなんだけど、近いんだよもうこれだと気を抜くと演者よりステージに近いというマイナスの距離にすぐに身を置くことになってしまう。

セッティング中はみんな息をひそめて、この時間って本当に何度経験しても面白い。SEとともにステージに出てくる人たちと同じ人なんだけどね。見られながらセッティングするってホントどんな気分なんだろう。わたしは未だにドキドキしてしまうし、凝視してはいけない気がして妙に目線をそらしてしまったりする。セッティングや楽屋、舞台袖などの裏側を見るのは大好きだけれど、とにかく近いんだ。

そうこうしているうちに再びステージの上は空っぽになる。今日はえみだむ氏がいないのだが、別のカメラマンがいて、どうやらこの方が今回のツアーには帯同しているようだった。
SEが流れる。パルプフィクションだ。札幌のワンマンの時、昔のSEを流していたのは特別だったのかな。わたしが行くライブではほとんどがパルプフィクションの方だった。


1曲目は【山の男は夢を見た】
地元でライブに来ると、やっぱり「福岡――!」って言ってくれるのがうれしい。頭の上に何が見えますかだよね。つい先日聴いたばかりだけれど、いつも必ず聴く曲だけれど、やっぱり楽しい。
カズマさん、ステージの上だとカッコいいんだよね。物販ではものすごく気さくに話してくれて、なんというかコミュ力が高すぎてもうこっちがびっくりしちゃうのだけど、やっぱりステージだと顔が違うよね。
この曲は最初に煽りのイントロがあるからぐぐっと盛り上がって始まるのがワクワクする。
サビのところで以前「2倍の速さでサビ行くぞ」って亞一人くんが言ってたのがなぜかずっと残っていて、実際には聞いたことがないはずなのに、そのフレーズがつい頭に浮かんでしまう。2倍じゃないよなって。いや気が付いたから言うのをやめたんだろうし、1回か2回くらいしか言ってないはずなんだけどいつも頭の中にふわっと出てくるからそろそろ別の何かに上書きしたいとことだ。


絶対彼氏以上】
この曲は初めて聴いたときからずっと印象が変わらなくて、ライブでも音源でもあまり雰囲気が変わらないと思う。とにかくこれでもかって詰まっている。
激ロックのインタビュー記事を改めて読んだら、そのことにも触れていて、とにかくよいと思うものを全部入れたって書かれていたから、やっぱりそうなのかと。こんなに展開がたくさん詰まってる曲ってあんまりないよなと聴くたびに思う。分けたら2曲作れたんじゃないって最初に聴いたときに思ったんだよね。
ナガさんの「手を挙げろーーー!」が気持ちよくて好き。
わたしはこの曲のMVが好きなのだけど、最近は亞一人くんが黒シャツに黒パンツというシックな衣装なので、暖かい色味との映像とギャップを少し感じるかな。

近い日程でライブに行って、わたしは渋谷クアトロの照明よりも、Queblickの照明の方が好きだと思った。
クアトロは映像化するから少し見えやすい設定にしていたのだろうか。あんまりしっくりこなかったんだよな、言語化できるほど詳しいわけでも記憶が残っているわけでもないのだけれど。

MCすっかり忘れてしまっていて、亞一人くんが「おちんちん」って言っていたのは覚えてるんだけど、むしろそこしか覚えていないというか…。とにかくいつも一緒にやってるバンドと一緒に来られてうれしいと言っていたと思う。
ワンマン、次は福岡のここでやりたいと思うからって、ここでも思ったことは口に出していくと言っていた。物理的な距離を超えて、ワンマンライブやってほしいなと思う。土曜日だと尚良しだけれどどうだろうか。今回のツアーもほぼほぼ平日で、それだと地元なら何とかして行けるのだが遠征となるとちときつい。隣の県くらいなら行ってもいいかなと思うのだが、九州で2か所は厳しいので山口か広島なのだけど、そうなると思った以上に遠いのだ。
後ろの方に知らない顔の人が増えてきた、というようなことを言っていた。
そうやって新しい人がどんどんライブに来てくれればワンマンライブだって夢物語じゃない。

ところで別の土地でのMCでは仲が良すぎてなのか、偏差値が低いバンドと回りたくないとか言ったとか言ってないとか。真意は定かではないし、わたしもその場にいたわけではないので何もわからないのだけど、単純に誤解を生むような表現はもったいないなと思う。
だってこのメンツ、大好きなくせにね。時々言葉選び、それでいいのかな?と思ってしまうときがあるからハラハラします。


【IN THIS…DIE!?】
ワンマンで初めて聴いて、それから買ってきたシングルを聴きまくったので、わずか10日ほどしかたっていないけどちゃんと覚えた。だから知らない曲じゃないんだ、わたしには。
この曲、ワンマンの時にナオキさんがピック弾きしているのを見て、珍しい!と思ったのだけど、今回も確認してやっぱりピックだった。
この曲の動画が終わってから公式Twitterにアップされたのだけど、いやーカッコいいよね。
シングルの2曲目なんだけど、今回のシングルは1曲目の「Over the Sun」だけ他の2曲と毛色が違う。この間インスタライブでこの2曲についてそれぞれに意識したアーティストの名前を亞一人くんが言っていたけれど、洋楽知らないのですーっと耳から抜けてしまって覚えていない。
この曲は「滅び始めたThis is crisis Sunset」のところが好きだ。聴いていて気持ちいい。
あとはギターソロとベースソロがそれぞれあるのが好き。わたしは歌詞ばっかり追いかけて歌しか聴けないポンコツのくせに、楽器のソロが大好きなんだ。
あとはサビのところのシンコペ?っていうんだっけ、そこの部分も好き。
そしてねえ、この曲はラストのサビのところ、音源だとずーーーーっとギターが速弾きしているように聴こえるんだけど、わたしはこれを聴くのを楽しみにしてたところがあるの。
ナガさんのギターってイントロがすごく印象的でカッコいいリフがたくさんなんだけど、ソロとかはあんまりというか、あれ弾いてない?って思うときがちょこちょこある気がして、だからこの曲を音源で聴いたときに弾きまくってるの珍しい!と思って楽しみにしてたのにな。ちょっと次回に期待。


【FinalFight】
この曲はもう「ベース、ナオキ!」の曲だよね。
この曲だって3月に出したばっかりなわけで、わたしが行けないどこかのライブで初披露されてからしばらく、ようやく聴けたのが3月のONTAQだった。
初めて聴く曲、知らない曲は盛り上がらないというのも確かに分かる。
でもどちらかというとセトリの曲って定番が多いので、たまに知らない曲が入ってくると嬉しくて嬉しくて。曲の構成を知らないからノリ方は分からない時もあるけど、心はビンビンだと思う。
むしろだよ、盛り上がりを強要しすぎなところがあるかなって、それはアシュラのライブの話ではなくて全体的にそんな風に思う。
わたしはオイオイ文化で育ってないので、楽器のソロ中にオイオイさせられると「ちょっとまて、聴かせてくれ」と思ってしまうタイプだ。そりゃ客の動きがそろうのってお互いに気持ちいいんだろうなって思う。でも動いていなくても、何もしていなくても音楽を楽しむことはできると思うんだよね。
最近はだいぶ慣れてきたけど最初はびっくりしたもんな。忙しくて。手を挙げたり、拍手したり、飛んだりっていう切り替えが早いというか、ああ次はこっちなのですね!?ってついていくのが大変だった。
例えば新曲だったら、しっかり聴きたいって思ってもいいじゃない。新しい曲がどんな構成でどんなメロディでって聴きたいよね。
いや、ライブキッズはそんなぬるいこと言わねんだと言われてしまえば、そりゃあ申し訳ないと言わざるを得ないけれども、ライブの楽しみ方は人それぞれだと思うのだ。

FinalFightは「ハッ!」っていうコーラス、難しいところにあるよね。前回のワンマンで気が付いてからずっとここが気になって仕方ない。
アシュラの歌メロって亞一人くんが作ってるのかな。この曲もだけど全体的に歌っていて気持ちよさそうな曲が多いと思う。


ここで福岡でもワンマンをやりたいって言っていたのかもしれない。とにかくこの曲に入る前には自分のやりたいことや目標、いわゆる夢の話をするんだろうと思う。だって夢がかなった曲だもんね。
【Over the Sun】

わたしはこの曲聴いたら絶対にRSRを思い出すんだなって思った。
家で、車の中で、歩いているとき…わたしの日常でこの曲が流れるタイミングってたくさんあるんだけど、音源は大丈夫なんだ。
RSRのステージ映像を使ったMVも、これが一番スイッチになるかなと思っていたけれどそうではなくて、やっぱりステージを観ているときだよ。そりゃそうだ。

握り締めてた柵の感触とか、戸惑いが滲みながらも大きく聴こえてきたコーラスのこととか、タンタンタッタタのリズムで手をたたくんだよってナガさんがみんなにお手本を見せてくれた瞬間とか、色々と思い出す。夢が叶ったことを歌ったって言うから、歌詞をめちゃくちゃ聴きとろうとしたけど無理だったこととかね。
誰とも共有しないわたしだけの映像がそこにあって、ライブでこの曲を聴くたびに思い出すのだろうと思う。

それでも目の前には新しい像がある。記憶はそこにとどまりながらも現実は更新されていく。わたしの時間は動いていて、だからこそ巻き戻すのも自由だ。

【月はメランコリックに揺れ】
風邪気味で喉がイガイガしていて、実際この翌日から調子を崩してしまって熱を出すという久々の体調不良をやってしまったのだけど、やっぱり大きな声で歌ってしまった。
中野新橋の川島商店街を歩いて、このMVが撮影された場所に実際に足を踏み入れたことで、またひとつ思い出が上乗せされた曲。
亞一人くんが大好きな街、中野新橋。ワンマンの日の打ち上げとして居酒屋くろべえに行って、さらに翌日は川島商店街をうろうろと歩いて散策した。思っていたよりも小さくて、一般の人がわざわざ観光に来るような場所じゃない。
昭和を感じさせる駄菓子屋。息子はそこで何度もクジを引いて、人の良さそうなおじさん(もうおじいさんかな)に、アシュラシンドロームのライブに来たんだって3回くらい言って。福岡から?わざわざ?みたいな会話を交わした。
縁も所縁もない場所でずっと暮らしている人、そこにある生活を眺めるのがわたしは好きだ。何かのタイミングで少しだけ交わって、なんてことない会話をして、でもきっともう二度と会うことはない。

「あーいえー照らしてよ 月はメランコリックに揺れ」そのあとの歌詞がごっちゃになるのはまだまだ修行が足りないのだろうか。今回もフロアがあれあれ?ってなる瞬間があって、歌いたいという意欲は高いのに上手くいかないなと思ってしまうのだった。
フロアからの歌声を全て引き受けて、亞一人くんが歌に戻る瞬間がやっぱり好き。

 

本編終了。わたしはこれで終わりだと思っていたら、そうだった今日は主催ライブだったと思い出す。フロアから手をたたく音が鳴り続けている。アンコールだ。メンバー全員が一度引っ込んで、もうあんまり時間がないからなのか、本当にすぐ出てきてくれた。

ラストはもう絶対にあの曲だ。まだイントロ前の前奏に慣れない。わたしは曲を覚えるのが早い方だと思っているのだけど、これはライブの時にしか聴かないし、聴くときは気持ちが高揚しているからかどんなメロディかと問われても口ずさめない。でも聴けばわかる、この煽りから始まるアンコール定番の曲。
【DaringDarling】

ただでさえ柵とステージの間に距離はない。後ろからの圧に息子がつぶされないように、わたしが先にぐっと前に押す。後ろの人が気を使わないようにそうするのだが、やっぱり最前センターは少し荷が重いかもしれないと思った。亞一人くんも少し上手よりで後ろを煽っていて、何となく申し訳ない気持ちになる。ロマバカの時にお客のみなさんが優しい人たちであることは分かったのだけど、次からは上手か下手のどちらかにしようと思う。

顔を上にあげて手を伸ばす。ステージの上の人にぶつからないように、何もつかめないのに何かをつかむかのように。
いつもこの近さを味わいたいがために前に行くというのに、いざその時間になると近すぎて怖くなってしまう。わたしは色んなバンドのライブに行っているわけではないので、インプットの濃度が高くなりすぎているのかもしれない。
最前列はほぼ女性で、2列目は男性が多かった。男性陣はツーステが上手なライブっ子という感じで、フロアの熱は様々だったと思う。ステージから見た福岡のフロアはどんな印象なのだろう。わたしは遠征もするけれど、やっぱり自分が住んでいる土地にツアーで来て良いライブだったと思ってくれていることを願う。

ステージが終わって、ナガさんが投げたピックがへろんとステージ中央に落ちた。それを見つけた息子が「ナガさん!ピック!」と、この子はいつの間にそんな声をかけられるようになったんだ、とびっくりした。後でこっそりもらえばいいじゃないとわたしは思ったのだけど、彼にとっては「今しかない」と意を決したんだろうと思う。
息子の声に気が付いたナガさんが、ピックを拾って息子のところまで届けてくれた。しかも、しゃがんで目線を合わせて渡してくれるなんて、なんと優しいことを…!と驚いて恐縮して、ありがとうございますありがとうございます、とわたしの方がテンパってしまった。
いやほんと、ナガさんありがとうございました。


全てのライブが終了したのは22時頃だった。
物販にはさっきステージを終えたばかりのカズマさんがさっそく立っていて、あんなに激しいライブの後だというのにもう!?と驚いたが、完全撤収の時間もあるし、自分たちでやるしかないのだから仕方がない。

ワンマンの時には主に経済的理由で買えなかったTシャツなどのグッズを購入する。そしてわたしはRSRまでの感想をまとめた本にサインをいただいた。
メンバーはみな一様に、なにこれ!?って驚いて、わたしはそのたびにしどろもどろで説明をしたのだが、うまく伝えられた気がしない。


少し前、誰だか知らない人のツイートで、「久しぶりにライブハウスに来たら、バンドマンが空き時間にフロアに降りて笑顔で談笑してて驚いた。昔はバンドマンがフロアに降りてくるなんて気に入らない客を殴るときくらいだったのに」というものを見かけた。

サービス過多なのではないかと思うときもある。
しかし今は、殴るとき以外で降りてきてくれてありがとうという気持ちでいっぱいだ。だって、楽しかった、かっこよかった、ライブに来てよかったと直接伝えられるなんて贅沢すぎるほどに贅沢な時間だからだ。

次の予定はまだ決まっていない。今年はもうおそらく彼らのライブに行くチャンスはないだろうなと思うが、また来年どこかでライブが観られることを願ってやまない。

やっぱりこの箱の照明好きだな。「骨の髄まで」のところの動きかっこよくない!!?目の前で見てて、あわわああわってなったのですよ!!

最高の1日をまたどこかで。