箱日記

ライブに行った感想を細々とつづっています。

2019年4月27日 アシュラシンドローム 京都Live House nano

ライブの翌日は胃の中に残るアルコールの面影が、記憶の輪郭を曖昧にする。
ただとても矛盾しているが、もし完全に掴んでしまったら、なんだか消えてしまうような気がしているのもまた事実なのだ。
取捨選択された時間に感情の濃淡が生まれる。

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2019年3月30日 アシュラシンドローム 札幌BESSIE HALLワンマン

冬に吐く息は白く、冷えた空気はピリリと固く尖っている。
交差点の角に集められた雪は土混じりで、踏みしめるとジャリっと氷の音がした。

小さなライブハウス。
すすきのの派手なネオンに背を向けて、あの有名な看板の下を通り抜けてから、路面電車を横切ってしばらく歩くと今日の箱『ベッシーホール』に到着した。
先行物販の時間を少しすぎていて、すでに人の列が地下から地上へと伸びている。
わたしも並んでみたがどうやら思ったより人が集まったのか、オープンに間に合わなくなりそうだったようで、残念ながら買えないまま列は解散となった。

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2019年3月17日 アシュラシンドローム TENJIN ONTQ Kieth Flack

赤い実をつける桜は、桜前線の開花予測よりも少しだけ早い。
今年は暖冬で、あの春のウキウキとした空気が冬の切れ端に混ざり合ってしまったように感じる。

12月の終わりに福岡であったフェスに参戦して以降、ライブに行くこともないまま2ヶ月半が経過していた。
2018年から2019年となり、だからといって何ら代わり映えするでもなく、わたしは日々仕事に追われる毎日。
Twitterを覗けば、全国至るところでライブは開催されていて、そのお知らせを演者側とお客側と双方眺めながら押す『いいね』ボタンほど、本来の意味に近いことはないのではないかと思う。

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2018年12月26日 打首獄門同好会 福岡MUSIC JUNCTION

これなら午前中は仕事に行ってもよかったかな。
ダラダラと午前中を過ごしながらそんな風に考えていた。
福岡市内までは普通電車で40分ほど。そこから会場までは地下鉄かバスか。Googlマップの案内は電車が優先されてしまうのか、バスがあまり出てこない。
しかし福岡という街は西鉄バスというバス会社がそのほとんどを牛耳っていて、あらゆるところに連れて行ってくれるのである。おそらくバスの方が便利なんだろうと考えて、Googleマップの設定をいじってあらかじめの時間を調べるよりも、駅に着いてから案内板を眺めた方が早いなというアナログな結論を出した。

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2018年10月26日 打首獄門同好会/アシュラシンドローム ボロフェスタ2018

すべての演目が終わり、エンディングとなった時間。帰り始めた人の列を逆行しながらメイン会場へ戻ると、2日目のラインナップがスクリーンに映し出されている。

ーー未来の子どもたちのために、音楽を止めるなーー
映像はそんな言葉で締めくくられていた。

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2018年10月16日 アシュラシンドローム 福岡Queblick

ステージから観る景色をわたしは映像でしか観る機会がないのだろう。ならば映像に残らないライブでは想像する事しか出来ない。

 

仕事終わりの平日にライブに行く。
まずもって『ライブ』といえば、イコール遠征という図式を描かざるを得ないのだから、田舎暮らしのわたしにとって平日ライブは憧れと言っていい。

今日は3バンド。対バンの数と持ち時間の長さは反比例する。
主催のバンドがトリであることは間違いないとして、お目当てのアシュラは2番目だろう。なぜって明確な理由はないのだけれど、なんとなくそんな予想をしていたわたしは、オープンスタートに間に合わなくても大丈夫だろうとタカをくくっていた。
しかしお昼休み、Twitterのタイムラインに流れてきたツイートを見て、思わず立ち止まり「マジか!」と思った。そして思っただけではなく口にも出していたし、ツイートもした。

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2018年10月8日 打首獄門同好会 THE GREAT SATSUMANIAN HESTIVAL

鹿児島という端っこの地で比較的大きなフェスが初めて開催される事を知ったのは、会長のツイートであった。出演者発表の第一弾だったので、開催日は10月だというのに随分と早い段階でチケットを押さえた。
福岡と鹿児島は同じ九州とはいえ、けっして近いとは言えない距離である。しかしながら鹿児島はつい3年前まで暮らしていた土地であり、加えて今年の3月までは月に3~4回は仕事で訪れていた。そうした理由から、物理的な距離に比べて心の距離が近く、家族で参戦するハードルは他の地域よりもぐっと下がっていたのだった。

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