箱日記

ライブに行った感想を細々とつづっています。

2020年2月16日 打首獄門同好会 獄至十五ファイナルワンマンツアー ZeppFukuoka

キラキラと舞う紙片。わたしは首をひねってステージとは反対方向に視線を向けて、その光景を見た。フラッシュバックするのはあの日の景色だ。どうしてこの瞬間まで忘れていたのだろう、鳴り響く音を前にそんなことを思った。


2月までと言っていた47都道府県ツアーが12月をFinalとしてその全容を現したとき、1月から2月にかけてはきっと何かがあるのだと予感していた。予測を立てることに無頓着なわたしでも分かる。発表されていない何かがあるのだと。
そうして告知されたのは、ファイナルワンマンツアー。これまでの箱とは規模が大きく違う、キャパ1000オーバーの大掛かりなツアー予定である。
ZeppFukuokaは2016年に大人の事情で一度閉館し、2年後の2018年に再オープンした。わたしは大箱にあまり縁がなく、随分と前にブライアンセッツアーの来日公演を夫の知り合いに誘われて観に行ったきりだった。数年前にほど近い場所に住んでいたが、行く機会も特になく、閉館と再オープンどちらも他人事のように知ったクチである。

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2019年11月15日 打首獄門同好会 獄至十五ツアー 熊本Be-9 V1

熊本の対バンが発表されたときは、リアルに嬉しかった。
岡崎体育くんのことは知っていたけれど、チャンスがなくてステージを観る機会に恵まれていなかったからだ。

打首さんの今回のツアーは47都道府県、全部をまわる大規模なツアーである。春にスタートして夏フェスの時期を挟んで前半後半に分かれており、前半では6月に福岡と大分に参戦した。地元福岡はバックドロップシンデレラとの対バンで、わたしはついにバクシンチャンスを引いたのだ!と喜び勇んだのが記憶に新しい。
対バンツアーは色んな意味や事情が込められていると思う。わたしは自分のことを音楽好きだと思っていないし、聴くものは偏っているし、理論も何にもしらないので語れるものは何もないが、体育くんのステージが観られるというのは単純に嬉しかった。

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2019年10月16日 アシュラシンドローム アルティメットパッションツアー 福岡Queblick

渋谷のワンマンライブと中野新橋の旅を引きずったまま、数日が経過していた。ライブを終えて色んな余韻に浸っていたら、すぐに日数は経過していき、気が付けば一月ほど経っているということはよくある。
ライブとライブの間はある程度開いている方がいい。気軽に行ける身ではないというのもあるが、その時のことをこうして書き記すには時間も必要だし、記憶をアウトプットする前に現実に上書きされてしまうのがもったいない気がしてしまうからだ。

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2019年10月5日 アシュラシンドローム 渋谷CLUB QUATOROワンマン

あのRSRから1カ月と半分という時間が過ぎた。

ライブの年間本数などが時折話題に上るが、わたしが去年参戦した数はフェスも合わせて12本。均して月に1本のペース。うん、悪くない。決して多い方ではない、と思う。
少ないかと聞かれれば、下を見れば多くの人はゼロなわけだから、比較は難しいだろう。ただ、平均月に1本のペースは生活に支障が出るほどの数ではないと思っている。

ただ、ここに忘れてはいけない問題が1つだけある。日本の南の方に住まうわたしの場合、そのライブのほとんどが遠征になってしまうという点だ。
お盆というハイシーズンに北海道まで行ってしまったわたしの財布は激しく損傷しており、その痛みは決して癒えてはいない。1カ月半という僅かな間隔では失った諭吉は取り戻せない。たとえRSRが素晴らしすぎるほどに素晴らしい時間であったとしても、物理的な問題として無視できるほど大富豪ではない事については心より悔やまれる。

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2019年8月17日 打首獄門同好会 RISING SUN ROCK FESTIVAL 2019 in EZO.~後編~

…きっと忘れないと思った。

 

涙は心の汗。…ということで涙腺がカッチカチなわたしの目にも涙が溢れた。
しかしそれは感情から来るものではなく、目にゴミが入ったことによるハードコンタクトのズレであった。
わたしは感情の振れ幅があまり大きくなく、ポジティブな感情と涙腺が分離している。自身の結婚式と出産で外しているのだから、もうそんな日は来ないような気がしているがどうだろうか。
ただけっして『無』というわけではなく、人並みに感動だってしていて、そのことを後からこうして文章にしたりするのだ。
書き連ねるという動作には、頭の整理を伴う。グダグダと考えないで、目を真っ赤にしてステージの感想を言う姿を羨ましく思う。一方で衝動的な感情が怖いという思いもある。
わたしだって追い詰められて泣くこともある。そう考えると感動の涙というのは感情に追い詰められているのかもしれない。
どこからか分からない『想い』というものが、自分でコントロールできないほどに湧き上がってくるなんて、怖いじゃないか。だからそれをいとも簡単にやってのける人の強さに憧れている。

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2019年8月17日 アシュラシンドローム RISING SUN ROCK FESTIVAL 2019 in EZO.~中編~

ステージが終わって外に出て、見上げた夜空にぽっかりと浮かんだ丸い月。
わたしはその景色を一生覚えているだろう、そう思った。

 

 

日本4大フェスのひとつであるRSR
これまで野外フェスは2つほど経験しているが、これほど大きなものは初めてだった。
フェス慣れしていないわたしにとって、右も左もわからない。まず入り口でチケットをリストバンドに交換してから、入口の前に立つ。ゲートが3つもあり、一体どこから入っていいのかすらも分からない。
怯えながらスタッフの人に尋ねると、どうやらどこから入っても大丈夫だったようだ。
ゲートをくぐる。どこに行けばいいのかさっぱり分からないまま、人の流れに身を任せてそのまま真っ直ぐに進んだ。

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2019年8月17日 RISING SUN ROCK FESTIVAL 2019 in EZO.~前編~

8月に入り、日本全国は猛暑であった。
誰に言われるでもなくセミは羽化して、いつの間にやら聞きなれた音を響かせる。
わたしはといえば、その暑さに文句を言いながらも、あと少しに迫ったRSR2019への旅立ちにそわそわと落ち着かない日々を過ごしていた。
初めての大型フェス。しかも通し券での参戦、しかも1人。というフェス初心者のわたしにとって完遂できるのか定かではない過酷さである。

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